2017年5月30日火曜日

細野不二彦 電波の城 4巻

謎の女子アナ・天宮詩織。BS丸の内のお天気キャスターとなった彼女には恐るべき過去が―――北海道のFM局に未曾有の危機をもたらしたスキャンダル―――元・局員が重い口を開き、語り出した衝撃の真実―――元凶は、やはりこの女だった!!そして台風の目は、東京に上陸。今、新たな嵐が巻き起こる!!


スタッフの人気を獲得する一方で、北海道サッポロFM時代の過去が明らかになる天宮詩織。
用意周到さ、土壇場での度胸、なぜ天宮はイビリに耐え、女子アナウンサーの頂点を目指そうとしているのかわからなくなってきました。

記者谷口ハジメの取材への情熱は、いずれ天宮のどこかの過去と接点を見つけるかもしれないと思うと、これからどう展開するか楽しみでしょうがないです。

2017年5月28日日曜日

細野不二彦 電波の城 3巻

まだ夜も明けきらぬ、東京の街。早朝のニュース番組に新人アナが登場。お天気キャスター・天宮詩織。彼女を待ち受けるのは、番組を支配するメインキャスター・角舘ちず子。番組内外で起こる策略、陰謀、駆け引き。プライド、保身、人間の欲望が渦を巻く。その美貌と、その声で、電波の城を昇らんとする天宮。しかし、まだ誰もその素顔を知らなかった。


新人いびりをも巧みに利用し、周囲をすこしずつ味方に取り込んでいく天宮詩織。
注目されネットで話題になり有名になっていくのと、サッポロFMの過去の出来事が明らかになっていきます。

天宮の狙いが当たりすぎていて、どこかでつまずいてしまわなかとハラハラします。

2017年5月26日金曜日

細野不二彦 電波の城 2巻

アナウンサーの頂点を目指し、お天気キャスター・オーディションに挑む謎の女子アナ・天宮詩織―――東京の中心にそびえる“電波の城”で、彼女は初めてその声を発する―――一方、天宮の過去を暴くため、北海道へ一人の男が旅立った―――サッポロFMでの彼女の足跡を追い、浮かび上がった女の素顔は―――天使か、悪魔か!?


天宮詩織の周到さに恐怖を感じてしまいます。
抜かりなく、ほぼ完璧にしかも笑いながら夢を着々と実現させていく様にゾクゾクします。

北海道サッポロFM時代の彼女を天使だというもの、地獄の貴婦人というもの、謎多き天宮の正体が徐々に明らかになっていきます。

2017年5月24日水曜日

細野不二彦 電波の城 1巻

虚像・実像、誘惑・疑惑、欲望・絶望、現代人を映す鏡の城、テレビ局。その影で倒産寸前の芸能事務所に一人の謎の女が現れた。フリーアナウンサー・天宮詩織。トップキャスターを目指して、昇り始めた一人の女と、絡み合う業界の強者たち。テレビ・ジャーナリズムの現場で、今、女の運命が、動き出す!!


育ちのいいお嬢様の様な容姿を持ち、強力な後ろ盾と資金を持つ気骨のある主人公の天宮詩織(あまみやしお)が女子アナウンサーの頂点を目指す物語です。

倒産寸前の芸能事務所白鯨の社長鯨岡の借金を返済し、社長、事務所ともに買い取り、オーナー兼所属タレントとなった天宮詩織が、BSニュース番組のお天気お姉さんのオーディションを受けようとしますが、取り巻く環境のドロドロさが面白そうです。

天宮詩織を描きつつ、報道部の記者谷口ハジメが納得のいかない事件を追いかけるという話も平行に語られ、ふたつの話がどこかで交差していくようです。

最悪にして災厄の女といわれる天宮詩織がどう切り抜けて進んでいくのかが面白そうな作品です。

2017年5月22日月曜日

久住昌之 谷口ジロー 孤独のグルメ

空腹でたまたま目に入った食べ物屋に入り、注文して食べるということがひとつの話として描かれています。



初めて入る店は居心地がよいものではなく、どちらかというと、少しの緊張と注文したものを待っている間のじれったさなどを感じるものです。



待っている間に他人が注文したものや食べているものが気になったりしながら注文したものがやってきて食べる。

思ってたより美味しいとか、勢い余って食べ過ぎたとかいった感想のみで特に料理の解説などなく淡々と食べてしまいます。



男性がひとりで飯を食う姿を描いたシンプルで劇的なことが何も起こらない漫画です。



臨場感や緊迫感や迫力や興奮といった感情を男が食べている描写と食べた感想のみで表現されていて、別段誇張したり感激したりするわけでもなく淡々と食べる姿はこれまでのグルメ漫画とは違い、食べるという行為に関心が湧きます。



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2017年5月20日土曜日

藤子不二雄 「異色短編集」 1  ミノタウロスの皿

 藤子・F・不二雄によるSF(すこしふしぎ)短編集です。

漫画の力を感じます。




●オヤジ・ロック

タイム・トラベルトの有効な使い方を知ったセールスマンはこの後、売り物であるタイム・トラベルトを自分が使って何を売ったんだろう。



●じじぬき

あの世といえどもさすがお役所。同様の苦情を受けることが多かったのしょう。うまい対策を講じるもんだと感心させる作品でした。



●自分会議

どの年代の「ぼく」が主観になっているんだろう。

学生のぼくなのかな。

どのコースを選択しても、訪れる運命はそう変わるもんじゃないといっているように感じた作品でした。



●間引き

読後、この話がおかしいと感じない時代が来ないとも限らないと感じたのが怖いです。



●3万3千平米

地球上の人類同士では法律を楯に詐欺同様の取引が行われているのに、人類が勝手に権利を発生させ主張したものに対して律儀にルールを守り価値相当のものと引き替えを迫る地球外の生命。

守るべき者がルールを犯し、守らなくていいものがルールを尊重する姿勢が面白い作品でした。



●劇画・オバQ

オバQの世界から無邪気さを取り除き、少年は成長し、大人の現実を漫画に取り込むとこんなにもシビアに渇いた関係をつくってしまうのかと寂しくなりました。

それをオバQの作者が描くなんて、常に客観的にあらゆる角度から作品を眺めているんだな感じました。



●ドジ田ドジ郎の幸運

無限の偶然はない。

どっかで埋め合わせがつくもんさ。

ドジ田ドジ郎の運よさが増せば増すほど関係する誰かに不運が起こる。

最後のページの笑顔が複雑な気持ちにさせます。



●T・Mは絶対に

できたらいいなと思うタイムマシーン。

そんないいことばかりじゃないよ、案外見られると困ること、知られてはいけないことといったマイナス面が多いのでは?という作品。

可能だけど都合の悪いことの方が多いから実用化できないアイデアはたくさんあるのかもしれないと思わされました。



●ミノタウロスの皿

信じている絶対って不確かなものだと思う作品でした。



●一千年後の再開

これ以上の確率で再会を果たす二人はいないでしょう。

この短編集で唯一のハッピーエンドです。



●ヒョンヒョロ

これからマーちゃんはどうやって生きていくんだろう?



●わが子スーパーマン

分別のない子供が正義の味方、スーパーマンになったら世の中が大混乱することに例えてこの世の正義の正当性を問うているようでした。



●コロリころげた木の根っ子

そりゃ、そうなってもちっとも不思議じゃないという話でした。



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2017年5月18日木曜日

志村貴子 ルート225

あの時、私たちはもうひとつの世界へ迷い込んだ。14歳~15歳、とまどう私たちの小さな冒険。



姉のエリ子と弟のダイゴは、近所の公園から家に帰るハズが、いつの間にか、ちょっとだけズレた違う世界に来てしまう。いなくなっちゃった両親、違う世界にもいる自分の友達…この世界っていったいどこ?元の世界へ帰るための、2人の不思議な不思議な日々。




多彩な表情、髪や指の動きや絵のつくりが好きです。

冒頭、傘を持つ手と動作が気になって、コマを辿って見ました。

そうしたら、電話ボックスから出て、エリ子とダイゴが会話をする1コマ(57ページ)でエリ子が手に何も持たず歩いているコマを見つけたりしました。

こんなこともあるんだなと、話とは関係のないところをぼんやり眺めて楽しんでいました。



怖さが加速して不安になる物語でした。

寝る前に読んでしまって、目をつむると姉弟の安心から遠のいていく状況が恐怖感として迫ってきて、目が覚めると同じ状況になってるかもと想像したりするとなかなか眠れませんでした。

2017年5月16日火曜日

志村貴子 志村貴子作品集 かわいい悪魔

かわいい悪魔短編集です。「あたいの夏休み」が好きです。




綺麗なお姉さんは好きですか?謎の魔女っこと優等生男子の不思議な交流を描いた「かわいい悪魔」シリーズが、描きおろしえを加えてついに完結!その他、未収録の傑作短編を一挙収録。志村貴子ファン垂涎のお宝作品集! 気弱なお坊ちゃま・めぐむの前に突然現れたのは、自称“魔女”のお姉さん。不思議な力を使ってめぐむに意地悪したり助けてくれたり…。表題作「かわいい悪魔」の他、銭湯でひとめ惚れをしてしまった女の子の心の揺れを綴る「あたいの夏休み」、憧れの先生が“継母”になってしまった青年(マンが家志望)の苦悩を描く「不肖の息子」など、志村貴子の魅力が光る珠玉の全7編。




●かわいい悪魔

むむむ、これはどういう話なんだ? どう捉えればいい? ハテナマークがいくつか頭の中にプカプカ浮かぶ話でした。

閃きや偶然としか思えない幸運が舞い込んだり念願が叶ったり、そうでなかったりするのは、もしかしたら魔女の仕業なんじゃないかのかなんて想像させてくれる物語でした。



●あたいの夏休み

なにも始まることのなかった淡い恋心。

家族に知られたり、意中の人に気づかれるのは避けたい主人公の女の子かよ。

こういうときにとっさについたうそを本当のことにしようすることに費やすエネルギーって、とてつもなく大きかったりします。

本当はね… という含みを持たせたようなかよちゃんの最後のコマの表情が印象に残ります。



●すてきなあのこ

もう一度やり直せたら同じ過ちは犯さない。なんて思っていても、まったく同じ状況なんて起こりえないから、似たような罠にはまってしまうものなのかもしれません。



●中学生

漫画の物語の状況にあこがれて、想像して真似してみたくて。なのに現実はうまくいかなくて。

漫画のとおりにうまくはいかなくても、現実は漫画にもないようなことが起こることだってあるという、どこかにいそうな女の子の話でした。



●とあるひ

「なんとなく」好きです。



●不肖の息子

仕事も個人的なこともかわいそうな主人公でした。人生チャラ論を思い出しました。えっ? もう終わり? というくらいあっという間の一冊でした。もっと短編も読みたいです。近いうちに読めるだろうスケバンが主人公の短編、もしくは長編作品楽しみです。



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2017年5月14日日曜日

岩本ナオ 雨無村役場産業課兼観光係 3巻

銀ちゃんが企画し、みんなで準備を進めてきた村民期待の新しい村おこしイベント“桜祭り”の日が迫ってきた。東京で人気俳優になったスミオも戻ってきて、村人たちは大喜び。そんな中、メグは、スミオと銀ちゃんが秘密にしていたあることを知ってしまい…!?


桜祭りまであと3日。
準備をする村の人によって温度差があり、頑張れるところは頑張りたいがあまり負担になってもいけないと加減に迷い、スミオがすこし見ない間に変化があったことに驚く銀ちゃん。
また、スミオと銀ちゃんの秘密を偶然に聞いてしまったメグは疎外感を感じてしまい、いら立ちをスミオにぶつけてしまいます。
変わることと変わらないこと。この3人の関係は変わってしまうのかな、なんて感じながら読んでいました。

もし関係が変わったとしても、また新たな関係を築けばいいんだ、と銀ちゃんがスミオに頼みごとをしそれを聞いているメグという3人の場面でそう思いました。

桜祭りは思いのほか来場者が多く問題が発生します。
うまく解決できないでめげていると、頑張りはどこかにつながるもので次に期待できるいい話をもらうことができました。
上り坂での銀ちゃんがメグに言ったセリフがなかなかグッときました。
6年後、テレビの向こうで村の宣伝をしているスミオを観ているところでこの話はおしまいです。

変化することで得るなにか。失ってしまうなにか。ゆったりのんびりした村の風景がいつまでもあるいう安心感。
切実な過疎化の問題と景観の維持の両立は難しいです。
村が元気で人が陽気で笑顔なら、戻れる場所であり続けるなら変わることも悪いことではないなと、銀ちゃん、スミオ、メグの3人の行方よりそっちをいろいろ思いめぐらせてしまいました。

短編も面白かったです。

2017年5月12日金曜日

岩本ナオ 雨無村役場産業課兼観光係 2巻

故郷の雨無村役場に勤めはじめて、ようやく2年目を迎えた銀一郎。来年は“桜祭”で一気に観光地化をはかろうとするが、実現させるためにはさまざまなハードルがあって・・・。一方、メグは自分の思いをスミオに伝えるため、東京に会いに行くことにするが・・・!?


思うようにはいかない関係、やや下に見ていたスミオの大きな変化によりこれでいいのかと迷う銀一郎がよかったです。

メグがスミオへ気持ちを精一杯伝えるところでのスミオの胸の内や、銀一郎がメグに告げた言葉に対してのメグの心境は応えてあげられない申し訳なさのような気持ちと、こんな自分にと感謝する気持ちとが一方通行の思いを受ける側の気持ちをよく伝わってきました。

何もない雨無村の良さを引き出そうと頑張る銀一郎。
この村で生きる人たちの良さを一度都会に出て戻ってきたという経験を持つ者として誰よりも実感していて、村おこしを通じて村に銀一郎、スミオ、メグに何が引き出せるのかが楽しみです。

2017年5月10日水曜日

岩本ナオ 雨無村役場産業課兼観光係 1巻

大学を卒業し、地元・雨無村の役場に就職することにした銀一郎。この村の高校生以上の若い者は銀一郎、幼なじみのメグミ、コンビニのバイト店員・澄緒の3人だけ。観光係を命じられた銀一郎だが、特産も名所もない雨無村。それでも何かと事件は起こるもので!?


銀一郎とメグミと澄緒の三角な関係と特産も名所もない雨無村だけど、この村にはどこにでもあるわけじゃない良さがあることを知ってもらいたい、と村おこしに頑張っていく中で様々なことが起こります。
小さな村でほぼ全員が互いを知っているから出てくる会話がいいなと思います。

2017年5月8日月曜日

岩本ナオ 町でうわさの天狗の子 8巻

秋姫がようやく瞬ちゃんへの気持ちに気がつきました。瞬ちゃんが秋姫に気持ちを伝えるのはいつになるんだろう。
秋姫が悪い天狗になってしまいそうになる寸前になるのかな。


あっという間に学祭の話しあいを始める時期がやってきた。憧れのダンスを勝ちとることができるかどうかが、秋姫たち女子の気になるところ。だが、楽しく充実した学校生活を送りながらも、秋姫の心の中は、漠然とした不安が広がっていた。それは、瞬にとっても、大きな問題となっていて…。


秋姫の抱える不安、自分に残されている時間があと少ししかないかもしれないことや、得体のしれない力が体の奥からあふれてくるのをはっきり感じることなどを瞬ちゃんに打ち明けます。
友人ではなく、両親でもなく、瞬ちゃんに伝えます。
秋姫の不安を軽くさせた瞬ちゃんの言葉がよかったです
。告白そのものだと思いました。
うちの子だと言っていた秋姫が瞬ちゃんを意識し、赤面しています。
普段の瞬ちゃんのぶっきらぼうさは、秋姫にいずれやって来る事態に備えて、どんなことが起こっても平常心を養う修行を小さな時からかかさず行った成果なのかな、と思えるようになってきました。
いつも秋姫に一生懸命な瞬ちゃんでした。

どういう動機なのかはわからないけれど、美術の授業でお面をつくる課題で、タケル君はよりによって鬼のお面を真剣に制作します。
美術の先生に、鬼と天狗について説明を受けた時点で気がついて壊してしまわなければいけない立場なのに、より強く見える鬼のお面を細部にまでしっかり作りこんでいきます。
しかも、お面の目の位置が正しい場所にあるのかどうか、自らかぶって確かめようとします。
タケル君はなにか足りないようでいて、実はしっかりしている人物なのではないかという期待はここでなくなってしまいました。
残念、タケル君。

秋姫が嫌々モミジと行っている修行は、思っているより成果がでていて驚きました。
「最近瞬ちゃんがあたしの見たことのない顔をする」
と感じている秋姫。
恐かったというのもあるけど、秋姫が瞬ちゃんの顔を見ないようにしていたのが原因なんじゃないかと思いました。
校内では男女の誰と誰が話しているのか気になりはじめ、目当ての男の子が他の女の子と話しているのを目撃すると、牽制したりすることがしばしば起こります。

秋姫も例外ではなく、瞬ちゃんやタケル君と仲良く話しているのをこころよく思わない女の子が秋姫をチクチクと口撃します。
前々から気に障っていたのか、天狗の力が大きなったせいか、普段温厚な秋姫は姿を消し、言葉でやり返します。

ほんの少しの怒りは青雲町の気の流れを乱し、鳥の群れをざわつかせます。
瞬ちゃんに呼び止められ、冷静になれた秋姫。
瞬ちゃんは一部始終を見ていたようで、秋姫が悪くなかったことを言う瞬ちゃんの表情がよかったです。
瞬ちゃんはいつも秋姫のことを気にかけていることがよく伝わってきます。
マディ(万里小路亜弓)についても、秋姫にとって彼女がどういう影響を与える可能性があるかじっくり観察しているようです。
秋姫との会話を終え、去っていくマディの後ろ姿を目で追っている瞬ちゃんが何を思っているんだろう。
マディが秋姫の前に現れるタイミングが偶然にしてはできすぎている気がします。

気になっていた赤沢ちゃんと三郎坊のぎこちない仲も描かれています。

瞬ちゃんの代わりに、秋姫の振り付けを教えることになった三郎坊。
秋姫の補講が終わるまでの間校内をウロウロしていると赤沢ちゃんを見つけます。
「おー千洋。姫様に100円もろうたから牛乳でも飲みに行かんかー」
三郎坊が自分のほうから話しかける人なんて赤沢ちゃんくらいなんだろうなと思っていると、このふたり、ときどき一緒に過ごしていたようです。

三郎坊と一緒にいることがかけがえのないことだと感じている赤沢ちゃん。
なのに、三郎坊の求婚をきっぱりと断ります。
赤沢ちゃんの抱えている問題を三郎坊が解決できそうなので、三郎坊との日々が続いていくかどうかは赤沢ちゃん次第になりました。

秋姫の母親春菜の様子がおかしいです。
お山では康徳坊、瞬ちゃん、モミジ、石鎚山五郎坊、福山様、三郎坊、四郎坊、五郎坊、八郎坊、九郎坊、疾風、白妙が勢ぞろいし、秋姫の変化について話し合いが持たれます。

近いうちというのはこの夏休み中を指すのでしょうか。
ダンス練習中の秋姫のところにやってきたモミジが面白いです。
目がコワイです。
俊ちゃんは男子にダンスを教えるのに集中しているのかと思っていると、気にしているのは秋姫で、天狗道についてどんなことでもいいから知りたいとあせっています。

秋姫は最後の夏休みになりそうなことを悟っているのかな。
五郎坊に言ったことはそんなことを連想させます。 マディは瞬ちゃんが好きなのかもしれないと勘ぐる秋姫。
瞬ちゃんにとって自分が負担になっているかもしれないと思い始めます。
どうしてそう思うんだろう。
秋姫が参加するから、瞬ちゃんはおそらく夜の自分の修行を後回しにしてつきあってくれているとは考えないのかな。
不思議です。

秋姫は恋がきっかけで天狗道に堕ちそうな気がしてきました。

2017年5月6日土曜日

岩本ナオ 町でうわさの天狗の子 7巻

バレンタインのために、みんなでチョコクッキーを作った秋姫。でも、誰にあげるか決められないまま、当日を迎えてしまう。帰り道、瞬ちゃんと一緒になった秋姫は、チョコクッキーをめぐり、ひと悶着。翌月、ホワイトデーを前に、秋姫は気がかりなことがあり、力が不安定に。そんななか、石鎚山の栄介が秋姫たちの学校に現れて!?


次郎坊(瞬ちゃん)に対して、わき上がる感情がなんなのかわからず戸惑い、その感情が秋姫の眠っている力が制御不能なかたちで飛び出してきます。

自分のことがそんなに好きじゃないという秋姫。自分を好きになれるきっかけさえあれば、次郎坊やモミジの思いに気がついてあげられるようになりそうです。
いつそうなるのかわからないけど、のんびりと待ちたいです。

秋姫の父親康徳坊の俗世の催しに敏感で、ソワソワ、ドキドキ、号泣している姿を無言で見つめている五郎坊が面白かったです。

修学旅行の行先でタケル君がなにやら標的になっているようです。平城京跡に住まうあいつらはタケル君に何を頼もうとしているのか。波乱の修学旅行がもうすぐです。

2017年5月4日木曜日

岩本ナオ 町でうわさの天狗の子 6巻

ようやく瞬ちゃんが京都修行から戻ってきた。だが、瞬ちゃんのいない間に、石鎚山五郎坊(栄介くん)のいる四国へ初詣に行く約束をしてしまった秋姫はちょっぴり気まずい雰囲気に…。一方、クリスマスに、初詣に、バレンタインと“冬の三大イベント”を控えた女子たちは、“ほんとの恋”さがしに夢中で!?


瞬ちゃんには秋姫の忘れられない出来事があり、どうにもしてあげられなかった苦い思いが記憶として残っています。
秋姫のしぐさに反応して呼び起こされる記憶から、この先秋姫が困ったら助けてあげるのは自分でありたいという気持ちまでよみがえっているようです。

その思いがなんなのか、瞬ちゃんは薄々気がつき始めているんだろうな。
次郎坊として太郎坊を支えて、男として秋姫を助けてと大忙しです。

秋姫はといえば、ほんとの恋がひとつもないところばかり見てしまって、自覚するのはまだまだ先のようです。

瞬ちゃんの見る夢、秋姫の秘めた力が開放することはどこでつながっていくのでしょうか。赤沢ちゃんと三郎坊のやりとりも楽しみです。

2017年5月2日火曜日

岩本ナオ 町でうわさの天狗の子 5巻

“天狗修行”そっちのけで、フツーの女子高生ライフを満喫する秋姫。待ちに待った学園祭の日を迎え、さらに浮かれモード全開になるが、楽しい日々はあっという間に過ぎていき…。10月になり、瞬ちゃんが京都修行へと旅立った後、学校でちょっとした異変が起こる。秋姫はひとりで対処しようと、がんばってみるが…!?


瞬ちゃんの秋姫への思いが少しずつ表に出てきそうな気配になってきました。

ミドリちゃんや赤沢は分かっているけど口にはしないスタンスをとり、二人を見守ろうとして、マイペースの秋姫も瞬ちゃんに対してこれまでとは違う何かに気づき始め、新たな展開が始まりそうです。

太郎坊の言うことは絶対という決まりはわかるけど、瞬ちゃん(次郎坊)の恐しさがどれくらいのものかがわからないので、秋姫が金ちゃんたちの会話の中にでもいいから瞬ちゃんのコワいエピソードを披露してほしいと思います。