白雪はタンバルン王国に住む美しい赤い髪の女の子です。
ゼンはタンバルン王国の隣国クラリネス王国の第二王子です。
白雪の髪が赤いことがゼンと出会うきっかけになり、この出会いは二人にとって思いがけないものになるという物語です。
場面で何を思いどう動いていくのか、出会いによって発見する自分の進むべき方向、それらによってゆれ動く感情などが、頭の中でぐるぐる思い巡らせてくれる作品です。
●第1話
舞台はタンバルン王国。
白雪(しらゆき)は赤い髪の女の子です。その赤い林檎のような美しい髪は何かと注目され、人の集まる所で話題になります。
赤い髪の噂は、王族の耳にまで入ります。タンバルン王国の王子ラジは悪名しか聞こえてこない、いわばダメ王子で、白雪の噂を聞き、赤い髪を持つというだけで気に入り、白雪を自分の愛妾にすると言い出します。
白雪はラジ王子のいいなりになるわけもなく、国を出ます。
国境を越えた森の中でゼンという青年と出会います。
ゼンは隣の国、クラリネス王国の第二王子という身分の高い者です。
白雪はゼンにラジ王子から助けてもらい、ゼンの国クラリネス王国の首都ウィスタルで新たな生活を始めます。
●第2話
白雪の赤い髪はラジ王子の一件でさらに多くの人の知るところとなります。
赤い髪は役に立つ、と白雪を狙う者が現れます。
ゼンはそういう奴らから白雪を守ります。
赤い髪は白雪をつらい目に遭わせてしまいます。
●第3話
ウィスタル城内で、白雪の存在が知られることになります。
ハルカ侯爵はゼンが白雪を城に入れることが不快でたまりません。実力行使で白雪を排除しようとします。
刺客は忠告、警告、とゼンに近づく白雪を遠ざけるため、脅しの度合いを強めていきます。
白雪はおどされてもひるむことなく、意思を貫こうとします。
白雪の覚悟を知るハルカ侯爵。力ずくで排除することをあきらめます。
●第4話
宮廷薬剤師の試験です。
合格する、しない云々よりも、白雪の優先する順位は王国にとって大事かどうか、ゼンのためになるかならないかで決まります。白雪の人柄がよく分かるエピソードです。
試験の内容は小薬草園を3日間1人で担当するというものです。
白雪は第3薬草園を任されます。
白雪が気になったゼンは第3薬草園を覗きに来たため、ちょっとした事態に巻き込まれてしまいます。薬草園に閉じ込められてしまいます。
ゼンは白雪と過ごせて楽しかっただろうなと思います。薬室長のガラクが第3薬草園に来た時にはクタクタな様子なのに、なんだかうれしそうです。
どうしてゼンは白雪のことを気にかけるのか、白雪はゼンを近くで見ていたいと思うのか、気持ちが明らかになるにはもう少し待つ必要があります。
一歩ずつゆっくりと進んでいきます。
続きます。
あきづき空太 赤髪の白雪姫 1巻
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