いろんな関係が描かれていました。
●橋の向こう側
宿屋を営む一家のお話。
その宿屋にライダーとマージがやって来ます。宿屋を営む側の、迎え入れてから去っていくまでと、宿泊するライダーとマージのふたりがあれからどうなったのかという両方から楽しめた話でした。
無愛想なライダーと大きくなって人当たりがよく明るくて、屈託のない表情をするようになったマージ。
ふたりに変化はあるのかな?と期待していると、相変わらずライダーはマージを心配させることばかりの男のようです。
マージにまとわりつかれると面倒くさそうにするのに、いなくなるとアーサーからの仕事を一切投げ出しかねないくらい大切に思っているライダーのひねくれ具合、なにがなんでもライダーのそばにいる一途なマージ。
いいコンビだなと思います。
ライダーとマージの関係がどんなのかはわからないけど、マージになんとなく好意を寄せるルカ。マージがやってきて宿屋の手伝いが楽しくなったようです。
●七色ピクニック
シャルル、ピエール、ミシェル。三人の息子に囲まれて母親のアースラがとても幸せそうです。
●七色ファミリア
夜になり、子どもたちを寝かしつけ、ようやく大人だけの時間が持てそうなところで、ひとりずつ子どもが目を覚まし、あれやこれやとハプニングを起こします。
手がかかるけれど、幸せそうな顔で子どもたちと眠るアースラを見るフレデリックもまた満たされた表情をしいます。
●七色トゥモロー
子どもたちが自立し、家を出ます。普段と変わることなくしゃべり、振舞うアースラ。
三人を送り出すまで、自分の感情を抑えて母親を演じたことを褒めるフレデリック。
静かになった家にふたりだけになってしまっても幸せに暮していけるだろうなと思いました。
●スパイ・アンド・スパイ
取り合って争っているあいだに奪われてしまう話。
ちいさなおっさんが狭い車内で争う姿が面白かったです。
●続々々ピンク・チョコレート、完ピンク・チョコレート
本物のピンク・チョコレートが完成したという話。
守屋捨松はどうやって三也子さんにピンク・チョコレートを飲ませたんだろう。素直に言われて飲むなんてことはしなさそうなのに。
心を奪われた三也子さん。
「私を…… 嫌いなの?……じゃあどうしてわたしにあれを飲ませたの?」
両想いになるため、捨松にピンク・チョコレートを飲ませようとするところがイメージする三也子さんらしいです。
そして、ワクチンを飲んだあとの捨松へのお仕置きが面白かったです。
●老楡
ジュリアンとエリオットがどんな関係なのかはわかりません。
樹齢何百年を超える老木にもしも意思があるなら、たくさんの人間の嘘と真実を見てきただろうなと思います。
エリオットがジュリアンの新しい人生に自分の財布を持たせることにはなにか思いが込められているのでしょうか。
●本日はお日柄も良く
こういう先生を恩師っていうんだろうな。
●四季
これまでの話の別のafter storyが描かれています。
山背くんはまだ大森君の前に現れています。教室をツルや草で覆ってからもう現れていないんじゃないかって思っていました。
秋丸ゆかりと一野恵はそれぞれに恩師の教えを守り日々を過ごしています。
小太刀茜先生は変わらずマイペースです。
ニノンとサミーの仲はあれからすこし進展しているようです。
待宵姫はマミジロに出会ってよかったと思っているんだろうな。
ブンタ先生とマコさんのお宅の野菜はさらに順調に育っているようです。
依子、和美、三津枝、ふた葉は言っていた通りハワイに来ているのかな。
静間一彦と一条漣子の仲は高校を卒業するまでは内緒だったんですね。同窓会というのを内緒で漣子を連れ出したのが、漣子の照れくさそうな表情からわかります。
青子はこれからもずっと万里雄に心の中で話しかけるんだろうな。
昼田さんと紺野くん?だと思うけど、紺野くんの服装が学ランじゃないのはなぜ?
ジルとジルの父親に挟まれて、いままでとはまた違った悩みを抱えていそうなハロルドでした。
ユリアナ姫は剣術もめきめき上達中です。
ミシェルは男の子に人気があるようです。シャルル、ピエールの頑張りに微笑むアースラとフレデリック。息子たちの活躍が楽しそうです。
ようやくマリオンを捕まえたクリス。彼女の名前を知るのはいつのことになるやら。
グゼニアは理由をつけて学院にくるのが楽しみで仕方ないはずです。
ティナさん、ブットシュテットがいくら鈍くても鍋の横に置いたものくらいわかると思うから、その優しさはそっとさりげなくのほうがいいですよ。
ライダーを待つマージ。マージが待っていると思っているライダー。雪が降っているなか待っていたんだから、マージが喜ぶようなことでもいってあげればいいのに。
春日くんと三也子さんの子どもたちもアースラ、フレデリックの子どもたちに負けないくらい好奇心旺盛で腕白そうな気がします。
小番くんはせっかく淹れた珈琲が冷めてしまうくらい、ラジオから流れる音楽に聞き入って、夢見心地の気分でいるようです。
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