2016年4月6日水曜日

ゆうきまさみ じゃじゃ馬グルーミン☆UP! 4巻

夏休みも残り少なくなってきたが、駿平は渡会牧場にすっかり腰をおちつけている。だがとうとう東京から父親が迎えにきて…!? 一方ストライクイーグルがいよいよ秋競馬に復帰する!!


●STEP 31 風と共に去りぬ
乗馬から育成へと、馬と接してきたのに個人的な事情で夢をあきらめなくてはいけない人。
騎手を目指したものの身体が大きくなりすぎてあきらめざるをえなかった人。
牧場で働いているのは馬を扱う経験がある人ばかりで、馬に乗ることができず、育成も知らない駿平がダービー馬を作るといったのは、とんでもなく無茶だったと思い知ります。

●STEP 32 明日からの風
片倉さんと話したのち、駿平は渡会牧場でアルバイトとして働くことになりました。
張り切って働くのをいいことに、梅ちゃんが自分の分の仕事まで押し付けているのを本人は気がつきません。
「苦労して育てた仔が必ずしも走るとは限らんけど、たまにこーゆーことがあるからやめられなくなっちゃうんだよなー」
喜びってこういうことをいうのだと思います。

●STEP 33 むかい風(その1)
スポーツ新聞の取材で撮られた写真が掲載され、駿平が写っている記事を駿平の父親が見つけ、連れ戻すために渡会牧場にやってきます。
渡会社長も交えて駿平と父親で話し合いが持たれます。
駿平の父親はバクチのような人生を歩ませたくないといい、駿平は馬の世話をしたいといい、渡会会長はバクチにならないように努力しているといいます。
会話は平行線のまま沈黙が続き、思い出したように、渡会社長が牧場の努力の結晶が走るので見てやってくださいとテレビの競馬中継を流します。
渡会社長の冷静な言い訳と駿平と愕然とする表情が面白いです。

●STEP 34 むかい風(その2)
いつもと違う雰囲気に敏感に反応する馬。つくづく繊細な生き物なんだと思います。
東京にいっしょに戻るという父親に、
「いいいいい… いやだ! おおお… オレはヒルダの子を見とどけるまで帰りたくないっ!」
と駿平は自分の意思を伝えます。
静かに親子のケンカが始まります。

●STEP 35 風は秋色
駿平の父親は駿平のいろんな初めてを目にしました。戸惑いつつ駿平の言い分をとりあえず飲むというかたちに落ち着きました。
馬房にふだん来るはずのない時間に人が来ると、馬がかまってほしいのか騒ぎ始める
のが面白かったです。
最後のコマのように馬たちがしゃべっていたら笑えます。

●STEP 36 小鳥の巣
佑騎が通う競馬学校では、日々騎手になるための養成が行われています。佑騎は落ちこぼれてしまいそうな国東(くにさき)が脱落しないように、奮起するようにとあえて厳しい言葉で支えようとする損な役回りを演じます。
国東は残念ながら身体を維持できず、泣く泣く競馬学校を去ってしまいます。
舞台に立つ前に落とされてしまうくやしさが伝わってきます。

●STEP 37 夜空
たづなが駿平を意識するようになります。駿平のちょっとしたひと言にも反応してしまうところがかわいらしいです。
渡会牧場でアルバイトとして働くことになり、寝起きの場を渡会宅から従業員の寮に移します。深夜、渡会社長の将棋の相手をして、あまり睡眠がとれていない駿平を一気に目が覚める方法で起こそうとするケンさんが面白いです。
やっとのことで駿平に勝てた渡会社長。その日は心地いい眠りだったんだろうなと思います。

●STEP 38 遠い空の彼方から
季節は秋に入ります。
牧場は離乳で離された母馬と仔馬のけたたましい泣き声がやむことなく続いています。母馬のマリエルと仔のダンキチで離乳がどのように行われるのか描かれています。
馬にしてみれば、
「あれっ? かあちゃんは?」
「はっ! 息子は?」
という引き離されかたです。その日もいつもの変わりない日だと思っていた母と仔にとっては思いもよらないことが起こったと感じるに違いありません。
秋の競馬の到来に、梅ちゃんの気持ちがぐんぐん上がっていきます。ダイキチのおねえちゃんトロイメライが京王杯に出走し、梅ちゃんは予想を外してしいます。彼の競馬の勝敗を見届けるのが楽しみです。

●STEP 39 北国の空は燃えている
梅ちゃん予想を外してしまい放心状態です。
それでも駿平の歓迎会の資金を競馬で増やそうとするあたりが笑えます。
梅ちゃんの暴走を止め、ささやかな歓迎会を催すのかと思いきや、あまりに集めた資金が少ないので、全員が納得する馬券を購入しようということになります。
馬券で当てて資金を増やそうという発想が一致しているのが面白いです。
話し合っているところに悟さんがやってきます。悟にチクッと忠告する千草が面白いです。
東京にいるはずだと思っていた駿平が馬に乗っているのに気がつき、ひびきから渡会牧場でアルバイトとして働いていると訊かされ驚きと焦りを感じます。
しかしまたどうして梅ちゃんに馬券を買いに行かせたんだろう。

●STEP 40 夢の途中(その1)
ひびきはストライクイーグルの仕上がりの悪さに復帰初戦を心配しています。
馬の性格を知るのは難しいことです。
京都新聞杯に出走するストライクイーグルに、2年連続東西リーディング NO.1! 最年少、最速の1000勝騎手という弓削匠(ゆげたくみ)が騎乗するという連絡が入り、渡会社長、ひびきをはじめ、従業員たちが色めき立ちます。
なのに、ストライクイーグルに対する弓削のコメントが面白いです。

●STEP 41 夢の途中(その2)
京都新聞杯の前日行われた嵐山ステークス。
弓削が騎乗した四歳馬ヤシロハイネスが優勝し菊花賞に出走することになります。7年前にヤシロハイネスの兄ヤシロビクセン、5年前に同じく兄のヤシロマイロードが、嵐山ステークスに勝利し、菊花賞を制しているいて、その血統から期待が高まります。
同じレースに出走する馬や騎手や調教師や馬主にとっては強敵が現れ勝つための作戦が練られ、レースを予想し馬券を購入する人たちにとっては選択肢が増え絞り込むのに迷いが生じるんだと思います。
これが競馬の面白いところなんだろうなと思います。
京都新聞杯当日。渡会牧場でストライクイーグルを見守る一同に言う悪気のない陽気な悟が面白いです。
ストライクイーグルはスタートしてあまり良い位置とはいえないところから驚く結果を残します。


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