主人公は園田珠子という高校生の女の子です。
珠子は幼稚園から地元のお嬢様学校と呼ばれる私立女学院に通い、小中時代は放課後のほとんどがお稽古事、高校生になっても平日の門限は5時、休日は4時、勉学に励む事、家事手伝いをすること、そんな家庭に育った箱入り娘のお嬢様です。園田家のたった一人に跡取り娘で家を守り、家族を守り、この土地でい来ることを小さい頃から繰り返し聞かされてきました。
珠子は本屋で出会った靖という男の子と交際します。彼が高校を卒業したら東京に行くというので、自分も東京に行こうと家族に悪だくみをして東京大学に進学し東京で大学生活を送るという物語です。
珠子が夢見がちな子なところ、しっかりと考えを持っているところ、でも大切に育てられてたからあぶなっかしいところが面白いです。
靖は珠子に高校を卒業したら親の美容室を継ぐために東京の専門学校に行くと言います。
靖が東京に行くことを知った珠子は帰宅し、おじいちゃんを探します。お手伝いのクマちゃんが来客中で応接室にいると言うと急いで向かいます。襖を開け、おじいちゃんを確認すると、
「おじいちゃん わたし 東京の大学に行ってもいい!?」
と言います。
来客中にもかかわらず、おじいちゃんは珠子を見て、
「理由は?」
と訊ねます。
珠子は応えられません。
おじいちゃんは、
「駄目だ このまま 華岡の短大に進学しなさい」
と珠子の要望を切って捨てます。
珠子は、
「…………はい …………失礼します」
とおじいちゃんに従い、部屋を出ようとします。
おじいちゃんはとてもこわくて、園田家ではおじいちゃんの言うことは絶対なのです。
ところが、
「行けば」
と壁際に立っていた美形の男の人が珠子に言います。
「本気で行きたいなら 行けば べつに爺さんの許可なんていらないだろう」
珠子は男の人があまりに整った顔立ちをしているので見入ってしまいます。
おじいちゃんが男の人の前に立ち、ひと睨みします。
男の人は怯みません。男の人は津川紀之と言います。
おじいちゃんは紀之に
「君の両親とはまだ話し合いの途中だ 出ていなさい」
と言い、珠子と紀之を応接室から出します。
珠子は紀之のようなおじいちゃんに睨み返した人を見たことがなく驚きます。
母親は珠子に仕出し屋「つがわ」の紀之と弟の弘之だと紹介します。
紀之は珠子と同じ高校3年生です。
珠子は母親に、
「お母さん わたしあんなキレイな男のコ初めて見た…」
と言います。
母親は笑いながら、
「そういえば珠子 さっきは大慌てでどうしたの?」
と訊きます。
珠子は本題を思い出します。でもどうすることもできず落ち込み、紀之が言った言葉を繰り返し思い出します。
珠子は靖といるところを紀之に目撃されます。急にお腹が痛い帰ると言って別れ、紀之を引きとめて話しをします。
紀之の話を真に受けて東京に行く決意をしておじいちゃんを説得しようとします。
母親も珠子を味方して説得します。
珠子はクマちゃんから仕出し屋の「つがわ」の経営状態を知ります。翌日、珠子は紀之に会いに行きます。
紀之は珠子の物言いに腹を立て文句を言います。
珠子は東京に行きたいと来客中の応接室に入っていったことを思い出し、紀之に謝り、気持ちが変化したきっかけをくれたことに感謝します。
珠子はおじいちゃんに東京に行きたいと言わない、一生この家を出ないって約束するから、津川さんのお店を助けてあげて欲しいとお願いします。
母親はもしかしたら珠子が紀之のことを好きになったんじゃないかとお父さん(おじいちゃん)に言い、娘の恋愛に盛り上がります。
おじいちゃんは娘(珠子の母親)の言葉を聞き、津川家に家に来るよう言います。
おじいちゃんは、
「珠子 紀之君 両家合意の元 お前達2人を許嫁同士とする」
と言います。
珠子と紀之は急な展開に驚きます。
紀之の両親は園田家が「つがわ」を支えてくれるというので目を輝かせます。
紀之は話しがどんどん進んでいくので受けないと拒否します。
珠子は紀之の手を引き部屋を出ます。廊下で紀之にどちらにも得なことしかないと説得します。互いの都合のいい所だけを受け入れて偽装婚約をして大学を卒業したら自分の方から破棄すると言います。
紀之は珠子の考えに乗る方が賢明だと考えます。
珠子と紀之は部屋に戻ってきて、
「みなさんっ わたし達結婚しますっ♡」
と宣言します。
結納が執り行われます。
紀之は後ろめたさが残ります。
おじいちゃんは紀之に、
「紀之君 珠子をくれぐれもよろしく頼むっっ」
と頭を下げて言います。
紀之は事の重大さから若干選択を誤ったかと迷います。
珠子は紀之と同じ東京の秀栄大に無事合格し東京に行くことができます。
おじいちゃんは珠子と紀之が一緒ぶ暮らす東京の住まいを用意します。
引っ越しを終えその夜紀之は珠子と話します。
紀之は互いに干渉しない、家に他人を入れない、学校では知り合い程度の関係するなどの決まりを作ります。
珠子は一応反論します。
紀之は婚約は偽装なのだから園田の家から必要以上の施しはいらないと譲りません。
入学式。
珠子は初めての共学の風景に感動しています。
家族もやって来てます。
紀之も仕方なく家族に合流し、記念写真を撮りまます。
紀之の顔立ちが目立ちあちらこちらから視線を感じます。
珠子は知り合い程度の関係で通用しますか? と言います。
紀之は遠い親戚にしようと言います。
珠子は紀之にいろんな人から紀之のことを質問されたと報告します。
珠子は靖に会います。少し幸せな時間を過ごせます。
しかし、靖は学校でいい感じになった女の子がいて、珠子に別れを切り出します。
珠子は靖と一緒にいたいという思いだけで東京の秀栄大に合格したのに別れを告げられ、孤独を感じます。
夜中帰宅すると、紀之は起きて待っていました。
紀之は珠子を叱ります。
珠子は理由はどうあれ、心配してくれる人がいてようやく感情があふれてきて涙を流します。紀之に靖にフラれたと言います。
紀之は珠子を慰めます。
珠子は気持ちを切り替えようとします。
翌日紀之は珠子にルールを変更しようと言います。卑屈になっていたと気持ちを明かし、助け合おうと言います。
珠子と紀之は少しだけ仲良くなります。
珠子は新歓コンパに誘われます。入学式で知り合ったサクちゃんと新歓コンパに参加します。
帰宅して珠子はそこで紀之の友達木嶋卓と仲良くなったと言います。
サクちゃんが学校に来なくなります。珠子がメッセージを送っても返信がありません。
珠子はサクちゃんが憧れている三田先輩を見かけ声をかけ、サクちゃんの家を教えてもらおうとします。
三田先輩は珠子をお店に連れていき酒を飲ませ酔わせます。
珠子は紀之に電話します。
紀之は木嶋卓に連絡し、珠子を探し見つけ出します。
紀之は珠子を家に連れて帰ります。木嶋卓に秘密がバレてしまいます。
翌日、珠子と紀之と木嶋卓で話します。
紀之はフットサルのサークルに入ると言います。
珠子もフットサルのサークルに入ります。
珠子はサクちゃんに会います。サクちゃんにフットサルのサークルに入ろうと誘います。
4年間の大学生活が始まります。
珠子と紀之が次第に惹かれあっていく物語なのだと思います。どのような展開で互いが向き合っていくのか楽しみです。
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