クインタとギルロイ教授とニコル=ニコルは推薦状を書いてもらうためある人物の屋敷にやって来ました。しかし、建物全体が絞め殺しの樹に覆われてしまって出入りすることができません。魔術協会はギルロイ教授が推薦状を手に出来ないように手を回しているようです。
クインタは屋敷の主人は無事なのかと訊きます。
ギルロイ教授はこの屋敷の主人はアンブローズといって良い魔法使いを連れてるからちゃんと逃げいていると言います。
ニコル=ニコルはアンブローズなら心配じゃないわと言います。
クインタはどうせ訊いても教えてくれないから、心の中でアンブローズって誰だ? と思います。気になっていても口には出しません。
ギルロイ教授はクインタの表情を見て、気になる? と訊きます。
クインタは別に、どうせこれから分かることだろ、と表情を読み取られるのが嫌で顔を見るなとけん制します。
ギルロイ教授はアンブローズが避難先に選びそうな別荘を知っていると言います。
クインタはじゃあさっさと移動するぞと動き出します。
ギルロイ教授はニコル=ニコルには他に行って欲しい所があると言います。
ニコル=ニコルはギルロイ教授とクインタを二人きりにさせたくないので騒ごうとします。
ギルロイ教授はメモを手渡します。次の州で推薦を頼みたい人物でアンブローズの屋敷のように変わったことが起きてないか偵察してきてもらいたい、ニコルの実力を見込んで、と機嫌を取ります。
ニコル=ニコルはギルロイ教授の言葉に気分を良くして、行ってきてあげるわネスターと言います。
クインタはニコル=ニコルがネスターと言ったので、誰? と訊きます。
ギルロイ教授は俺だよ、興味薄いなと言います。
ニコル=ニコルはそんな二人の様子を見て安心し出発します。
クインタは恋心を利用してニコル=ニコルを動かすギルロイ教授のやり方に引いています。
ギルロイ教授はニコル=ニコルの恋心なんてほんの2ヶ月前からだから気にすることはない、アンブローズの別荘に向かおうと言います。
アンブローズと魔法使いはギルロイ教授の考える通り別荘に隠れています。
アンブローズと魔法使いは誰かが自分たちの居場所に気がついたと察知します。思っていたより早く見つかったので、相当良い魔法使いを連れていると言い、窓から外を見るとホラントラー(魔角類)が”死神の襲羽(しにがみのおそいば)”なので驚いています。
ギルロイ教授は空からアンブローズの別荘を探します。別荘のあたりに来たのに見つけられなくて変だなと思っています。
クインタはめくらましの魔法がかけられているからわからないんだと言います。挨拶して入れてもらえないのか? と訊きます。
ギルロイ教授は友達ってわけじゃないから無理だろうと言います。
クインタは魔法を使います。風の精霊を呼び出しアンブローズの別荘を隠しているめくらましの魔法を切り落とします。ちょうど視線の先に探しているアンブローズの別荘を見つけます。
特定されたと察知したアンブローズの魔法使いが水の精霊でクインタとギルロイ教授を攻撃してきます。
クインタはフィーヨ(死神の襲羽)に魔法の匂いをたどれる? と訊きます。
フィーヨは鼻先で2か所示します。
クインタは柱の陰にいるだろうと考え、ギルロイ教授に建物が壊れるかもしれないぞと言います。
ギルロイ教授はどうぞと言います。
クインタは推薦状を書いてもらう相手なのにいいのか? と思っています。
水の精霊の攻撃がまた来ます。
クインタはその水の精霊のまわりにいる水の精霊に指揮している魔法使いのもとへ戻れと魔法を使います。
大きな水の塊がアンブローズと魔法使いに向かってきます。危険なので魔法使いは水の精霊に元の水に戻るよう指示します。大きな水の塊は力を失い重力に従い落下し、アンブローズと、魔法使いはしぶき程度の水を浴びるだけで回避します。
ギルロイ教授はアンブローズに挨拶します。
アンブローズはギルロイ教授らしい挨拶の仕方に呆れています。そして、とんでもない魔女を連れているなと言います。
アンブローズは自己紹介を始めます。クインタにでもギルロイ教授にでもなくフィーヨに挨拶します。アンブローズもギルロイ教授と同じく魔角類の研究者で興味に忠実です。
フィーヨに挨拶してようやくクインタに挨拶します。
クインタは仮面をかぶっています。
ギルロイ教授はクインタは仮面をかぶる基準に興味を持っています。
クインタはアンブローズに仮面を取られ素顔をさらします。
アンブローズは雇っている双子の魔法使いを紹介します。
リンゼイ=オズワルドという女の子とエルマー=オズワルドという男の子です。
エルマー=オズワルドはクインタを見て顔を赤らめます。
クインタもつられて顔を赤らめます。
リンゼイ=オズワルドはエルマー=オズワルドに相手がクインタだってわかっているの? と言います。
エルマー=オズワルドはリンゼイ=オズワルドに誰を好きかに口挟んだことないと言い返します。
アンブローズはギルロイ教授がここに来たということは絞め殺しの樹の覆われた屋敷を見たんだなと言います。魔術協会はずいぶん横暴で君に手を貸すのなら見せしめだと言われた、何が起こっているのか説明してほしいと言います。
ギルロイ教授はアンブローズと話している間、クインタは席を外します。
クインタはリンゼイ=オズワルドとエルマー=オズワルドと少しだけ話します。
リンゼイ=オズワルドは魔角類にごはんをあげる時間だと行ってしまいます。
エルマー=オズワルドはソファーに座りクインタに話しかけます。
クインタはギルロイ教授が19歳だということを知ります。
エルマー=オズワルドはどうやってそんなに強くなったの? と訊きます。
クインタは微笑んで、フィーヨに聞いてみなと言います。
ギルロイ教授はアンブローズと話します。
ギルロイ教授は前置きも、屋敷を絞め殺しの樹で覆ったことについても話さず、推薦状を書いてくれと言います。
アンブローズはどうして協力しなければならないのか、ライバルで君の功績を妬んだとしてもおかしくないと思うと言います。
ギルロイ教授は急に震えだし、ソファーに倒れ込みます。何を入れた? と言います。
アンブローズは何もと言います。
ギルロイ教授はではあの双子の仕業かと言います。
アンブローズはいやそんなはずはない、可能性としては魔術協会かもしれないと言います。
ギルロイ教授はそれなら盛られたものが何かは予想がつくと言います。
アンブローズは自白剤かと言い、クッションでギルロイ教授を口を抑えつけ、聞かせるな、誰にも、僕にも! と強い口調で言います。
ギルロイ教授は二ッと微笑みます。
アンブローズは自分を試すためのギルロイ教授の芝居だったとわかります。
ギルロイ教授はアンブローズがどういう人間か知りたかったと言い、君の推薦状が欲しいと言います。
アンブローズはちょっと問題があると言います。
ギルロイ教授はクインタに意見を求めます。意見を求めに来たのにクインタと人間関係の話ばかりします。教授はクインタに興味を持っているのにクインタが自分に興味を示そうとしないので存在がないような感覚を感じます。ところがクインタが少しだけ親近感を覚えてたと言うので、興味とは異なる親近感という言葉のニュアンスを聞き出そうとします。なんにしろ自分は存在していてクインタの何かしら感情が動いていることがわかり安心します。
フィーヨがじっと窓の外を見ています。睨んでいるようにも見えます。フィーヨの視線の先にホラントラーがいます。
リンゼイ=オズワルドがギルロイ教授を呼び、来客を告げます。客は具合が悪そうなんですと言います。
ギルロイ教授はジュードと名乗った? と訊きます。
リンゼイ=オズワルドはよくわかったねと言います。
クインタはフィーヨを呼び肩に乗せギルロイ教授について行きます。フィーヨはクインタの肩に乗っても窓の外のホラントラーを見ています。
アンブローズは魔法がかけてあるのにこの建物によくたどりついたものだと言います。
ギルロイ教授は神妙そうな顔でジュードを見ています。
アンブローズはクインタに面識は? と訊き、クインタはないと応えます。
アンブローズはジュードについて、ギルロイ教授の研究チームの1人だと、彼はジュード=ギルロイでギルロイ教授の唯一の友だと言います。
ジュードが目を覚まします。
ギルロイ教授はジュードにこの屋敷の外で倒れてたと言います。
ジュードはギルロイ教授が無事だったこと、魔術協会に狙われていると聞いて心配した、困っているなら何か手伝いたくて会えるか賭けてみたと言います。
ギルロイ教授は研究チームの他のメンバーに責められ、お前にも愛想をつかされたと思ったっと言います。
ジュードはギルロイ教授を抱きしめ違うと言います。
ギルロイ教授の表情は感情がなく硬い表情です。
ジュードはギルロイ教授のうしろにいる魔女について訊きます。
ギルロイ教授はボディガードとして雇っている「Q」だと紹介します。
紹介されたクインタはギルロイ教授がなぜ名前を伏せるのか疑問に思います。
ジュードは魔女が連れているホラントラーが小さいので、見習いなのかと訊きます。
ギルロイ教授は魔術協会と縁がないから助かってると言います。
ジュードはクインタによろしくと握手を求めます。
クインタは応じます。
アンブローズが部屋に入って来ます。
ギルロイ教授はクインタをQと呼び、アンブローズとエルマー=オズワルドとリンゼイ=オズワルドを困惑させます。推薦状の相談についてジュードも参加させていいかなと言います。
アンブローズはかまわないと言います。
ギルロイ教授はじゃあ明日の朝にと部屋を出て行こうとします。
アンブローズはクインタに、ところで君の名前と訊くと、クインタはQだよろしくなと理由はわからず応えます。
二人きりになるとクインタはギルロイ教授にジュードが感じいいやつなのに偽名を使ったのか訊きます。
ギルロイ教授はジュードは誰かに雇われたんじゃないかと思っているから念のためだと応えます。
クインタはフィーヨと風呂に入ると言います。
風呂の間ギルロイ教授は扉越しにジュードとの関係を話します。
クインタはジュードが大事な友達なんだなと言います。
ギルロイ教授はクインタといつもの立場が逆になってしまったから話題を変え、元の立場に戻ろうとします。少し本当の気持ちを明かします。
クインタはどうしてもギルロイ教授にいいように転がされるのがくやしいようで考えると眠れなくなります。窓を開けるとジュードを見つけます。フィーヨに乗ってジュードに声をかけます。
ジュードはホラントラーが”死神の襲羽”なので驚きます。そしてQはクインタだと知ります。
クインタはジュードが信用できるかわからないから私が偽名を使わせたと言います。
ギルロイ教授は目が覚めます。クインタもフィーヨもいないことに気づきます。窓が開いているので外を見ると、クインタがジュードと話しているのを見つけます。フィーヨが本来の姿になっていて、クインタが正体をバラしたことがわかります。自分にはガードを下げないのに、ジュードにあっさり正体をバラしたのが気に障るようです。クインタとジュードが何を話しているのか気になって急いで部屋から出て行きます。
クインタとジュードの会話はギルロイ教授にとって大した内容ではありませんでした。
ギルロイ教授はジュードから去ったクインタを捕まえます。今までとアプローチを変え、クインタが自分じゃないやつに守りが甘くなるのを正直面白くないと言います。
クインタは顔を真っ赤にしてギルロイ教授を突き放しその場から逃げ出します。
走りながらギルロイ教授と契約したのは間違いだった、秘密がバレてしまうのも時間の問題だと思います。クインタの秘密が明かされます。
「…私にはムリかも 魔力はそっくり受け継いだけど 300年分の経験値なんか簡単には埋められないな 16年しか生きてないし 見習いレベルなのもある意味当たりだし フィーヨと頑張りたいのに 別人になりきるのはやっぱり難しい 教授はどうするんだろう 私がオリジナルのクインタじゃないと知ったら」
枝を踏む音が聞こえます。誰かが近くにいたようです。
クインタは今のひとりごとを聞かれてしまったと焦ります。魔法で木々の精霊を呼び出します。確かに人がいたことは確認できます。誰なのかは見当もつきません。大きさから想像すると、ギルロイ教授かアンブローズかジュードの誰かということになります。
クインタは一睡もせず誰かに秘密を聞かれてしまったことについて考えています。
朝食を摂りながらアンブローズは話します。賢者の図書館への推薦状には推薦人のサインと推薦人の家の紋章印が必要だと言います。しかし、実家に没収されていて紋章印を持っていないとクインタに力を借りたいと言います。洞窟に紋章印がひとつ眠っているはずで手に入れるために協力してほしいと言います。
クインタはなんで洞窟にあるのか訊きます。
アンブローズは曾祖父の時代に少々の宝とともに避難させたのだそうで、洞窟が崩れやすく回収せずに今日に至るのだと説明します。
ジュードは危険すぎる他に方法は? と訊きクインタに意見を訊きます。
クインタは洞窟に入った盗人はなんで今まで魔法を使わなかったのか、魔法使いも失敗する何かがあるのかと言います。
アンブローズは何かがあってもクインタは凡百の魔女とは違うから洞窟を突破できると考えていると言います。
ギルロイ教授はクインタにつきあってくれるかと訊きます。
クインタはこれこそボディガードの仕事だと言います。
エルマー=オズワルドとリンゼイ=オズワルドは土と岩の精霊を呼び出して洞窟の崩れはなんとかすると言います。
クインタはもう少しラクできると思うと言うと、ギルロイ教授と同時に絞め殺しの樹と言い、エルマー=オズワルドとリンゼイ=オズワルドに取って来るよう言います。
洞窟に向かいます。
クインタとギルロイ教授は周囲を観察します。
ギルロイ教授は洞窟の中に何があるか見当がついているようです。
エルマー=オズワルドとリンゼイ=オズワルドは絞め殺しの樹を持って来ます。
ついでに魔術協会の魔法使いも連れてきてしまいました。ギルロイ教授の研究チームの一人ロザムンドがいます。
アンブローズとジュードとロザムンドが話していると山が崩れます。
エルマー=オズワルドとリンゼイ=オズワルドは絞め殺しの樹をに魔法をかけます。絞め殺しの樹は急成長し落石と魔術協会の魔法使いを絡め取ります。
クインタとギルロイ教授がやって来ます。
ギルロイ教授は身動きの取れないロザムンドに話しかけ洞窟に入ります。
エルマー=オズワルドとリンゼイ=オズワルドの魔法で洞窟内も絞め殺しの樹で天井も壁面もしっかり張り巡らされ落石の心配はなさそうです。
奥に進みます。
カツン。
何か音がします。
さらに進むと、地下水があります。
リンゼイ=オズワルドはアップルピース(ホラントラー)に地下水の水深を見てくるよう言います。
アップルピースはチャプチャプと地下水を歩きます。深くはないようです。突然アップルピースが体勢を崩します。急いでリンゼイ=オズワルドの所に逃げてきます。見ると脚がなくなっています。
今度はクインタとフィーヨが地下水に入ります。アップルピースが体勢を崩したあたりでフィーヨが鳴き、クインタが脚を見つけます。脚に噛み痕を見つけます。
ギルロイ教授はクインタから脚を受け取り、洞窟の中に魔角類がいると言います。
リンゼイ=オズワルドはアップルピースの脚を魔法で治します。
ギルロイ教授とアンブローズとジュードはその工程に興味津々です。
脚が治り、リンゼイ=オズワルドはホッとします。
ギルロイ教授はアップルピースにためしにそのへんを歩いてみようと言います。
クインタはムチャを言うなまだ怖がってるだろと言います。
フィーヨがアップルピースに何か話しかけたようでエルマー=オズワルドのホラントラー、スペアミントと三頭が並んで歩きます。
アンブローズは気づかいだ、ジュードは親和行動、ギルロイ教授は仲間と見なしたかとその様子を見てメモを走らせます。
リンゼイ=オズワルドは洞窟の中にいるホラントラーはどうしてアップルピースにの脚をかじったの、と言います。
クインタは洞窟の中にいる魔角類に仮の名前をカジルと名付けます。
ギルロイ教授は野生のホラントラーの説明をします。
リンゼイ=オズワルドはこの洞窟内に野生の魔角類が他にもいるのではないかと言います。
ギルロイ教授は魔角類は一頭しかいないと言い切ります。魔角類の生態がひとつ明らかになります。ホラントラーは共喰いすると言います。
エルマー=オズワルドとリンゼイ=オズワルドは驚きます。クインタも驚きます。
エルマー=オズワルドとリンゼイ=オズワルドはえ? なんでというような視線をクインタに送ります。
クインタはつられただけ、知ってたさ、と言います。
リンゼイ=オズワルドはこの先に進むのは危険じゃないかと言います。
ギルロイ教授はなんとかなると考えていると言います。
リンゼイ=オズワルドはギルロイ教授に従うと言います。
クインタはジュードに大丈夫だ、なんとかすると言います。
ジュードは本当に? と訊きます。
クインタは自分の秘密を聞いたのはジュードだとわかります。見くびってもらっては困ると言います。
カジルは俊敏で頭がよく、クインタに狙いを定めます。
クインタとカジルが戦います。
クインタはギルロイ教授の知恵を借りながらカジルと戦います。ギルロイ教授が面白いです。特にメモをする音が面白いです。
ギルロイ教授の指示通りにクインタは魔法を展開し、カジルを動けなくします。
フィーヨが怒ってカジルに制裁を加えます。序列が決定しカジルは大人しくなります。
アンブローズは紋章印を手に入れます。
ようやくこれで一つめの推薦状が出来上がります。
残りはあと2通。クインタは魔法の腕を上げなくてはと心に誓います。
洞窟の外ではどうやったのかロザムンドたちが絞め殺しの樹から解放されています。
魔女が魔術協会の魔法使いを助けたようです。魔女は助けたのに魔法使いたちの息の根を止めます。
ギルロイ教授はクインタの秘密、一日に使える魔法の回数についてはもうわかっていて、ではどうして大魔女なのに回数制限があるのかについて考えているのだろうなと思います。自分の研究以外に興味を示さなくて、特に人間についてはジュード以外は関心すらなかったのに、クインタには興味を示します。興味があるクインタが自分以外の男性にはガードが低く、自分には拒絶に似た態度を取るので言葉に言い表せられないような感情が渦巻いているようです。
クインタのギルロイ教授への拒絶は感情を読み取られるのが怖いからというだけで他には何もありません。
クインタも感じの悪いギルロイ教授に感情が動き始めています。まだ感情が何なのか気づかないようにしています。
推薦状を書いてもらう。賢者の図書館へ行って研究を登録する。その間にクインタとギルロイ教授に何が起こるのか楽しみです。
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