最終巻です。
第二部は夕鈴が国と国の関係を改善したり、陛下と王族の関係をや陛下と臣下の関係を良いものにしたり大活躍します。その方法がこれまで読んできた夕鈴という人物らしいやり方で突き進むのが面白かったです。
夕鈴が自分以外のことに興味が向いていると陛下の機嫌が悪くなるのが面白かったです。
●第101話
夕鈴は目覚めると、頭に痛みを感じます。
女官は騒がしくて、
「お妃様!! お目覚めになられましたのね!」
「階段で転倒して気を失われて…っ もう三日も眠ったままでしたのよ」
「早く陛下にお知らせして」
「李順様ならちょうど先程こちらに…っ」
と夕鈴が目覚めたことを喜んでいます。
夕鈴はきょとんとしています。
老師は李順に夕鈴が後宮に来てからの記憶がごっそり抜け落ちていると言います。
夕鈴は記憶喪失になったようです。
報せを聞いた陛下が慌ててやって来ます。目を覚ました夕鈴を見て安堵しています。
夕鈴は陛下に抱きしめられ失神します。
意識が戻り夕鈴は陛下から説明を受けます。
今いるのは後宮で、夕鈴は妃で目の前にいる陛下が国王であり、夫であると説明されます。
夕鈴は庶民がどうしたら妃になれるのか訊ねます。
陛下は、
「僕が君を愛してしまったから」
と応えます。
夕鈴は夢だと思い、目が覚めれば元の生活に戻っているはずだと眠りにつきます。翌日、夢のはずなのに、下町ではなく後宮で目を覚まします。
夕鈴は李順に帰りたいと言います。どこへと訊かれ、下町の実家にと言います。すぐに却下されてしまいます。
李順は一刻も早く元の状態に戻ってほしい、陛下のためにどうか頼みますと言います。
夕鈴はどうしても思い出せません。
●第102話
李順は妃の記憶を取り戻すため、柳方淵(りゅうほうえん)と氾水月(はんすいげつ)と面会させます。
続いて徐克右(じょこくう)とも面会します。
夕鈴は三人に会って、疑問がさらに増したようです。
夕鈴は陛下に下町の実家に帰りたいと言います。
陛下は一緒について行くことを条件に許可します。
●第103話
夕鈴は実家に帰ります。弟の青慎(せいしん)、父親の岩圭(がんけい)に会います。
岩圭は陛下(李翔・りしょう)の顔を知っているようで、陛下の顔を見るとどこかに逃げてしまいます。
李翔と夕鈴は青慎に事情を説明します。
几鍔(きがく)がやって来て、李翔と二人で話をします。
夕鈴は部屋が物置になっていて、使った形跡がないことがわかり、我が家に帰って来たのに居場所がないと感じます。大事なことを忘れているとは感じていてどうにかして思い出そうと記憶をたぐります。ふいに頭を打った理由がわかり、忘れていた大事なことを思い出します。
●第104話
夕鈴は李翔を探します。
李翔は几鍔と話しを終えると、夕鈴のところへ戻ります。
李翔を見つけた夕鈴は泣きじゃくります。
夕鈴の記憶が戻ったことがわかり、李翔は忘れていた大事なことを訊ねます。
夕鈴と岩圭が話します。最終巻でようやくちゃんと話します。
大事なこととは、夕鈴のお腹に新しい生命が誕生したかもしれないということでした。
●最終話
正妃冊立の儀が執り行われます。
夕鈴はたくさんの人から祝福を受けます。
氾紅珠の陛下と夕鈴を題材にした小説は国を超えて支持されています。
陛下と夕鈴は人生ってわからないとしみじみ語り合います。二人の間に飛龍という息子が生まれ、支え合って生きています。
喜怒哀楽で理不尽だと思うことに抗ったり、陛下のためと一生懸命行動する夕鈴が面白いです。
陛下は自分が生きてきた中で出会ったことのないタイプの夕鈴と言う女性に惹かれ、離れがたくなり、だけど、政争に巻き込みたくないから逃がしたものの、埋めることができないどうしようもない感情がずっと覆っていて、思いもよらない場所で再会し一緒に生きてくと決めた第一部の最後の物語は大好きです。
第二部の夕鈴に嫌われないように、苦手なことも頑張る陛下が面白かったです。
おわりです。
可歌まと 狼陛下の花嫁 19巻
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