2023年7月14日金曜日

可歌まと 狼陛下の花嫁 10巻

●第48話

夕鈴にとって後宮生活の仕事で幸せに感じるのは季節の味覚、果物やお菓子を存分に食べるときです。

浩大は時々夕鈴から分けてもらっているみたいです。その日も浩大が嗅ぎつけて夕鈴からお菓子を貰おうとやって来ます。

ところが夕鈴は前日のおやつを浩大がほとんど食べてしまっていたので、今日はあげないと言います。

浩大は、ひとりでそんなに食べると太るよと言います。食べるのを手伝ってあげてると夕鈴がそれじゃあお菓子あげるよと言ってくれるのを待っています。

夕鈴は太るという浩大の言葉で葛藤します。美味しいお菓子の魅力には勝てず食べてしまいます。


王宮では柳大臣が陛下に意見しています。

柳大臣は近々陛下が視察に行くのに妃を同行させることに反対しています。

柳大臣は夕鈴に会った時にこのことについて忠告します。

夕鈴は視察に同行するという話は聞いていないので、柳大臣が何について話しているのか見当がつきません。突然イヤミを言うのはなぜだろうと考えるうちになぜか太ったのではと言うのを遠まわしに言われてたと勘違いします。


後宮に戻り、夕鈴は浩大に言われ、柳大臣にも言われ、太ったのかもしれないと思い身体を動かそうとします。

静かに陛下は後宮にやって来ていて、夕鈴が体操する様子を黙って眺めています。

夕鈴は振り向いた拍子に陛下が立っているからびっくりします。

陛下から体操は何だったのか訊かれ、夕鈴はちょっと体を動かしたいなと思っただけだと応えます。

夕鈴は思い切って陛下に、

「へへへ陛下っ 最近の私に関して変化や気付いたことはありますか?」

と訊ねます。

陛下は、夕鈴を眺めて、

「…いつも可愛い」

と言います。

顔を真っ赤にした夕鈴は、

「やっぱりあまーーーい そして全然現実が見えなーい!!!」

と言います。


夕鈴は陛下から視察に同行してもらうと聞かされます。ここで柳大臣が忠告したいことを取り違えていたことに気がつきます。



●第49話

夕鈴は陛下の視察に同行します。

王都から東に行った壬州(じんしゅう)の閑積(かんせき)という街に来ています。

陛下はずっと仕事をしていて夕鈴は留守番です。


ある日の夜明け、夕鈴は陛下から起こされ目を覚まします。

陛下はちょっと僕の遊びにつきあってと連れ出します。

李順は夫婦演技はいらないと夕鈴にきつく言います。

陛下と夕鈴は二人きりになり街を歩きます。陛下は夕鈴と歩きたかった言います。

李順に言われたのに二人きりになると自然に手をつないでしまい気がついた夕鈴は慌てて手をほどきます。クビになったら大変なので陛下に気をつけましょうと言います。

陛下は夕鈴を抱きしめます。間を置くと演技なんてすぐ忘れるからやめないと言います。

夕鈴はドキドキしっぱなしです。

徐克右(じょこくう)が苦笑いでやって来ます。徐克右は陛下に夕鈴がいるので、妃は閑積に置いてきたかと訊ねます。

陛下は言う気はないようです。

「…まあ そういうことだな」

と言います。

徐克右は絶世の美女見たかったと言います。

夕鈴は黙って陛下と徐克右の会話を聞いています。



●第50話

陛下は知人に会いに行くというので、目的地に移動です。

同行するメンバーは李順、浩大、徐克右です。

船に乗ります。陛下の夕鈴へのスキンシップは激しくなります。

夕鈴は李順に見られたらと必死に陛下から離れます。

陛下は夕鈴の機敏な動きが面白くてたまらないようです。


目的地蓉州(ようしゅう)に到着します。

陛下と李順と徐克右は情報屋のところへ行き、夕鈴と浩大は休憩することになります。

夕鈴は浩大に陛下が徐克右と仲良く話しているところを見て、いろいろ聞いてみたい事があると言います。だけど、バイトの身だから教えてくれない気がすると言います。

浩大は聞いてみるべきだと言います。

陛下が戻り夕鈴は気になる事を訊いてみることにします。

陛下は笑顔で応えます。

夕鈴は自分の知らない陛下を知っている李順と浩大と徐克右がすこしうらやましく感じます。



●第51話

昨夜夕鈴は陛下と話しながら眠ってしまいます。目が覚めると陛下がいてびっくりします。

馬に乗って移動し、目的地に到着します。

李順は夕鈴に陛下が知人のところへ行っている間、雨宣(うぜん)の街で待っているよう言われます。

夕鈴は陛下が会うという知人がどういう人なのか気になります。

徐克右は夕鈴に自分の仕事を手伝って欲しいと言います。雨宣の街で情報収集したいと言います。徐克右は闇商人の居所を探っていて手がかりになる情報を探しています。

特に危険なことをするわけではなく、飲食店で周囲の客の会話を盗み聞きするというものです。

聞こえてくる話は狼陛下と妃の悪口ばかりで、夕鈴は怒っています。

徐克右は悪口ばかりなところが少しあやしいと言います。探している闇商人の特徴として決まって狼陛下や妃の悪評がついてまわるのだと言います。

夕鈴は狼陛下の悪口に怒り、徐克右の言葉に泣かされてしまいます。

陛下が戻ってきて、夕鈴の様子がおかしいのに気がつきます。

夕鈴は笑顔で食べ過ぎて苦しくなったと言って涙の理由を隠します。

陛下はそれ以上追及せず、徐克右の調査に自分も協力すると言います。

李順はやっかいなことになり頭を悩ませます。


陛下と夕鈴二人で行動します。

夕鈴は陛下に知人について訊きます。

陛下は言ってなかったっけ、と夕鈴を抱きしめ、弟だと言います。

蓉州で暮らしていて、晏流公(あんりゅうこう)と呼ばれている、会おうと思ったら難しそうで、会えないなら会わなくてもいいと言います。



●52第話

陛下と夕鈴は調査という名のデートを楽しみます。

水を差す出来事が起こります。賊が陛下と夕鈴を尾行していて、人気の少ないところで襲いかかります。

賊は浩大がやっつけます。ずっと陛下と夕鈴を護衛していたようです。

陛下は内に外に敵が絶えないと冷たい目で静かにつぶやきます。

夕鈴は側にいたいという気持ちを抑えるのが難しくなってきています。



●第53話

陛下は弟晏流公と直接言葉を交わすことはできませんでした。そっと隠れて様子を伺うだけになってしまいました。

陛下と夕鈴は二人で食事をします。

いい雰囲気になり互いが望んでいるものが重なります。本当に口づけするとは互いに思っていなかったようで軽く唇が触れてそれぞれが驚いた表情になります。

「―――――ごめん えっと 今のはやりすぎた」

陛下はなんとか絞り出して言います。

続きます。




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