中華風の白陽国(はくようこく)という王国が舞台です。
国王陛下と下級官吏の娘の物語です。
主人公の下級官吏の娘は汀夕鈴(ていゆうりん)と言います。
●第1話
父親から高賃金の割りのいい仕事があると聞き、王宮に行って詳しい話を聞くと一か月間後宮でお務め頂きたいというものでした。ただ後宮で過ごすだけではなく国王陛下の臨時の花嫁として、表面上妃として暮らすというものでした。
仕事の内容を説明する人物はそう難しい話ではないと言います。
国王陛下と言うのは世間で冷酷非情な人物として有名で「狼陛下」と呼ばれています。
夕鈴が仕事内容を聞いている目の前にその狼陛下が座っています。怖くてムリですと言えず部屋を下がります。しかし、あやしすぎるし怖いので辞めますと言おうと、先ほどの部屋に戻ります。恐る恐る部屋までやって来ると、
「て ゆーかさぁ この作戦 僕が休むヒマなくない?」
「まだ気を抜かずに! 人払いが済ませてあるとはいえ…」
「だってー」
「彼女にはそればれないで下さいよ!?」
と何やら軽い調子で話す声が聞こえてきます。声は狼陛下と仕事の内容を話した二人のものです。
夕鈴が戸惑っていると、狼陛下が部屋から出てきてばったり出くわしてしまいます。
「あ――――――――――… …ごめーーん李順ーー お嫁さんまだいたよー」
と狼陛下が聞こえてきた口調で言います。
夕鈴に仕事の内容を話した人物は李順と言います。
部屋の中にいた李順が二人のところに来ます。
李順は夕鈴が部屋の外に立っているのを見て頭を抱えます。
部屋に戻り、李順は夕鈴に秘密を打ち明けます。
家臣達は陛下のお妃が誰になるかということに関心があると説明し、妃を貰って狼陛下が実はこんなほわほわした方だとばれるのはとてもまずいのだと、冷酷非情な狼陛下と言うのは、他国や臣下になめられないためのイメージ戦略なのだと言います。
狼陛下は縁談を断るたびに理由を聞かれて困っていたので一時しのぎに臨時花嫁雇ってごまかすことにしたのだと言います。
李順は狼陛下の秘密をしゃべったら一族郎党地上から消えて頂きます警告します。
夕鈴は秘密を知ってしまい仕事を断ることもできず、お給料分は頑張ろうと臨時花嫁生活を始めます。
夕鈴は妃として後宮に入ります。過ごしていくうちに陛下の政務をこなす時の表の顔と後宮で二人きりあるいは李順と三人の時だけ見せる裏の顔両面に惹かれていきます。
臣下の中には血縁が妃になれず、夕鈴を疎ましく思う者も出てきます。
狼陛下と李順は夕鈴には言わず、妃を送り込みたい臣下をあぶり出す囮としても役立ってもらうつもりでいました。
陛下は李順に夕鈴の囮の役目について話そうとすると、夕鈴は立ち聞きしていて、
「――――その辺 きいてない …囮? …それ 契約事項に入ってた?」
と怒りを露わにします。
夕鈴は部屋を出て一人になったところで妃を排除しい臣下に捕らえられてしまいます。
狼陛下は密偵を使って準備していたのですぐに夕鈴を救うことができます。
約束の1か月が過ぎます。
給料を貰って帰ろうとすると狼陛下が現れます。
「こんなこと …すごく言いにくいんだけど …あのね 夕鈴あの時怒って衝立壊しちゃったでしょ? …あれでお給料 マイナスになっちゃったらしいんだよね」
と言います。
狼陛下と李順が夕鈴を囮に使うと話しているところで夕鈴は衝立を叩き壊してしまいそれがとても高価なものだったようです。
狼陛下は返済はいつでもいいからと、また臨時の花嫁を募集するつもりだと夕鈴を誘います。
まだまだ臨時の花嫁の仕事は終われそうにありません。
国王陛下の表の顔も裏の顔もどちらも本当の彼です。
しかし、夕鈴は狼のときの冷酷非情な彼は演技だと聞き信じ込んでいます。
●第2話
陛下に淹れたお茶の中に毒が入っていて、夕鈴は犯人を探そうとします。
陛下は夕鈴に危険なことをさせたくないので犯人探しはやめるように言います。
夕鈴は陛下が表の顔狼陛下で犯人探しは必要ないと言うので、心配だから探すのですとやめようとしません。
犯人は陛下が捕らえます。
陛下は夕鈴の損得ではなくその時にわき起こる衝動で行動するところを大切に思っています。
夕鈴は陛下が妃を愛してるフリがどうしてこんなにうまいのだろう困惑しています。ただ、必要とされていると感じるのでもう少し狼陛下の花嫁を続けていこうと考えます。
●第3話
陛下は商人に夕鈴のための金銀宝珠の細工物を用意させます。
夕鈴は高価すぎて身に着けられません。
商人は妃に近づきたいため再度夕鈴に接触します。
夕鈴は商人を見て、下町で見かけるうさんくさい行商人と似た雰囲気があると感じています。
陛下と夕鈴は執務室でお茶をしています。陛下は夕鈴が用意させた宝飾を身に着けていなくて身に覚えのないものを身に着けているのに気がつきます。少しやきもちを焼いたのか、商人と会ったのだと考え、商人の出入りを控えさせようかというようなことを言います。
夕鈴はどう受け取ったのか、陛下が表の顔狼陛下で話すので、執務室から逃げ出してしまいます。
夕鈴にしてみれば高価な宝飾は似合わないことは自身でよくわかっていて、偽物の妃なのだからと宝飾を身に着けない理由を数え上げればいくらでもでてくるので、考えて落胆します。
商人は夕鈴を狙う刺客でした。
夕鈴は陛下を慕う気持ちを抑えつつ、陛下の花嫁を演じ続けようと考えます。
●第4話
夕鈴はあと少しで借金をすべて返済できるところまで来ていて嬉しそうです。庭を歩いていると陛下が臣下に左遷を命じるところに出くわします。
臣下は受け入れられないようです。陛下に許されず、妃の夕鈴にもう一度陛下に会う機会を望みます。
夕鈴は断ります。
すると臣下は態度を豹変させて夕鈴に小刀をつきつけます。
陛下が現れ、夕鈴を助けます。
夕鈴は逃げるように言われたのに、どこからか持って来たツボを臣下めがけて投げつけます。
陛下は夕鈴にいうことをきかないなと微笑んでいます。
李順がやって来ます。夕鈴が割ったツボを見て、
「よりによって 後宮内でも最高級の陶磁器を選ぶんですか…?」
と弁償を迫ります。
夕鈴は借金が新たに増えてしまい、もう少しで終わるところだった臨時花嫁の延長が決まります。
狼陛下は夕鈴と過ごす時間が増えれば増える程側にいて欲しいという気持ちが大きくなっているようです。
夕鈴は好きになってはいけない人物だからと懸命に距離を置こうとします。
二人がどういうかたちで互いに気持ちを伝えるのか楽しみです。
続きます。
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