最終巻です。
アルジャーノンのエスターに対する優しさが刺さりました。自身の身体に異変を感じたからの選択なのかもしれません。だけど、母メグに代わりに見守るという役割を引き受けたアルジャーノンという人物が好きです。
レオンはエスターを抱えサリンジャー博士の元へ急ぎます。博士に助けて欲しい、
「エスターは俺の命なんだ」
と言います。
エスターを救うため処置が行われます。
何とか止血します。ただ出血がひどかったのでいつどうなるかわからない状態です。
アルジャーノンはエスターに渡したガラスの小瓶を取りだし、博士に、
「博士 これをエスターに売って欲しいんだけど」
と言います。
アルジャーノンは吸血鬼を抑制する薬を完成させていたのでした。
アルジャーノンはレオンに選択を迫ります。
レオンはどんなかたちでもエスターには生きていて欲しいと願っています。しかし、エスターはそうではないので薬を投与することに同意します。
エスターの鼓動は止まってしまいます。
エスターは夢を見ます。ようやく悲しみのあまり消し去ったジョンとの日々と約束の記憶がよみがえります。そして、ジョンがレオンであることがわかります。
エスターの止まった鼓動は、サリンジャー博士の懸命な蘇生措置とレオンの声、エスターの強い意志で再び動き出し、意識が戻ります。
体調が回復し、数カ月が過ぎます。
レオンがエスターに海を見せたいと旅行を計画します。
ゲイリーとレベッカも同行します。
レオンとエスター、ゲイリーとレベッカは仲がどこかぎこちなく、この旅行でなんとか修正したいと考えています。
それぞれが考えを改め、互いの仲はより深まります。
レオンは晩餐会を復活させます。
クリスとジェイルを招待し、楽しいひとときを過ごします。
アルジャーノンもウィンターソン家に来ています。しかし、誰とも会おうとしません。遠くからそっとレオンとエスターを眺めています。
クリスはアルジャーノンに会えばいいのにと言います。
アルジャーノンは確認したいことがあって来たと言います。これからもずっとエスターを見守っていくようです。
ロンドンの街をレオンとエスターが歩いています。
エスターは頭にキンと耳鳴りを感じます。吸血鬼の気配なのかと思い辺りを注意して見てみてもなにもありません。気のせいだといい、レオンとデートを楽しみます。
アーサー・マクドナルドの後ろ姿があります。生きていたようです。
レオンとエスターは幸せを感じながら、これからもいろんなことに巻き込まれていきそうな終わり方です。
吸血鬼の気配に気づいたのなら、能力はまだ消えていないのでアルジャーノンの心配は絶えなさそうです。
優しい物語でした。
終わり。
音久無 黒伯爵は星を愛でる 12巻
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