アーサー・マクドナルドによるクーデターはジェイルがアーサーの首を刎ねて終わります。
アーサーの視点でどうしてクーデターという選択をしたのかが描かれます。ジェイルが考えを変えたことから、アーサーはウィンターソン家を襲撃し、エスターの母メグに毒を盛ります。ここまでしたらジェイルは元に戻ると考えていたのに、元に戻るどころか生きることを放棄してしまいます。
アーサーはジェイルが人間を食料として見ていた頃に戻って欲しかっただけのようです。
すべてが終わり、エスターはジェイルの無事を確認すると気を失います。貧血です。エディンバラのホテルで意識が戻り、レオンと穏やかな時間を過ごします。
レオンはエスターに結婚式までスコットランドに滞在してみてはと言います。
エスターはひと月ジェイルと過ごします。
ジェイルは夢を見たのがきっかけなのか昔の記憶を振り返ります。メグとの出会いが描かれます。
エスターとジェイルは母メグとアルジャーノンの話をしたり、メグに見せたかったというスコットランドの景色を二人で見たりします。互いの距離、これまでの空白を埋めていきます。
クリスがエスターとジェイルに会いにハイランドの邸にやって来ます。
エスターはクリスにレオンについて尋ねます。クリスの視点でウィンターソン家襲撃の報告を受けたその後の思いについてを知ります。
クリスはエスターにアリスから結婚祝いだと言って、
「媚薬だそうだ 『お幸せに』と言っていたよ」
とガラスの瓶を渡します。
エスターは
「…アリスはいま幸せでしょうか」
「うん? 結構幸せそうにやってるよ」
「そう… ですか 『ありがとうございます』『どうかお元気で』と彼に伝えてください」
と言います。エスターはアリスの正体に気づいています。ずっと心の中に言わずに抱えていたんだと思います。
クリスは邸に戻るとアルジャーノンにスコットランドでの報告をします。
「いつか君もジェイルに会ってやってくれよ」
「……やだよ めんどくさい」
と返します。そして、
「僕にはもう時間が無いんだ」
と言います。
クリスは曇った表情でアルジャーノンを見つめます。
レオンとエスターの結婚式が行われます。
次はアルジャーノンが話の中心になりそうです。
続きます。
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