2023年3月24日金曜日

草凪みずほ 暁のヨナ 39巻

ヨナに四龍に助けられ、ハクには全身傷だらけで千樹草(せんじゅそう)を届けられます。

スウォンの心境は変化するのでしょうか。





高華国の兵士、風の部族のヘンデに襲いかかる南戒の兵士をことごとくなぎ倒していく馬に乗った兵士。

南戒のカジ将軍がやって来て

「何で新米なのに歩兵じゃないの…?」

と新米兵士は、

「…馬に乗るの得意なんで」

と答えます。カジ将軍は気に入らなかったのか、新米兵士の兜を剣で振り落とします。

新米兵士はハクでした。

ヘンデはハクが戦場にいて、南戒の兵士であることに驚いています。

カジ将軍は、

「…ねえ 投石機の縄… 切った…?」

と問い、ハクは、

「なんのことだかわかりません」

と白を切ろうと、とぼけた返事をします。

ヘンデはそんなハクが何かの作戦中なのかもしれないと考え、様子を見ています。


ハクはしらばっくれようとしていたのに、南戒のラーン将軍がやってきました。

ハクと一騎打ちの末敗れ、ハクに助けられた人物です。

ラーン将軍はハクに負けないくらい全身傷だらけでボロボロです。

ラジ将軍はラーン将軍に、

「この男に 見覚えはありますか?」

と尋ねます。

ラーン将軍はハクだと気づきます。驚きと喜びをごちゃ混ぜにしたような表情でハクを見ます。

逃れられないと覚悟を決めハクはラーン将軍に、

「それ 俺がやった傷じゃねぇよな 誰にやられた?」

と話しかけます。

ラーン将軍はハクを見て涙します。

「生きて… いたのですか… また… 会えてうれしいです」

とつぶやきます。


カジ将軍は二人のやりとりに引っ掛かりを感じ、状況を飲み込めないのでラーン将軍にハクが部下であるのか尋ねます。

ラーン将軍は、

「いいえ… 敵です 高華国の兵士です」

と答えます。

カジ将軍はハクを戦場に連れて来たのは自分だから自らが始末をつけると言います。

ハクは戦闘態勢を整えます。ヘンデがハクの横につきます。

ハクは一気に周囲にいる南戒の兵士をなぎ倒していきます。

暴れまわるハクにカジ将軍が剣を向けます。


カジ将軍はハクの圧倒的な力に歯が立ちません

ボロボロのハクは力尽きる一歩手前の状態で、カジに蹴りを入れられると頭の傷が開いてしまい、倒れそうになります。


カジは再びハクに斬りかかります。

しかし、ふたりの間に大きな物体が降ってきて、地面に叩きつけられ鈍い音がします。

カジ将軍は人が降ってきたので驚いています。

ハクは降ってきた人の顔を見ると黄龍ゼノだったので抱きかかえ話しかけます。

ゼノは声の主がハクだと気がつくと、ハクが生きていたことに驚いて、やべえ奴に目をつけられここに逃げて来たと話します。


南戒の司令官クラウ将軍がやって来ます。全体の指揮も執らずどういうつもりなのでしょうか。クラウ将軍の統率力で南戒に苦戦している高華国の軍事力はいかがなものかと思ってしまいます。

クラウ将軍はラーン将軍とカジ将軍に話しかけ、ゼノが弱らないことを楽しんでいます。

クラウ将軍はゼノの横にいる兵士に、ゼノを動けないように縛りあげるよう命令します。

ゼノのそばにいるのはハクです。

ハクは静かな怒りをクラウ将軍に向け、槍を振り上げ、一太刀でクラウ将軍の息の根を止めます。

しかし、最後の力を振り絞ったハクはその場で力尽き気を失い倒れてしまいます。


南戒の兵士はハクの首を獲ろうと剣を向けます。

傷が回復したゼノがハクの前に立ち、南戒の兵士からハクを守ろうとします。

ゼノが急に立ち上がり反撃してきたことに驚いたカジ将軍は隊を整えて高華国軍を攻撃するよう指示します。

ゼノは隊列を整えて襲いかかってくる南戒の兵士にハクを守りながら戦う術がなく迷っていると、

「ゼノ君 下がって!!」

と声が聞こえます。ジェハとシンアがゼノのもとに駆けつけていて、南戒の騎馬隊をやっつけてしまいます。

ジェハとシンアがハクを見つけます。生きていたことに驚きつつも二人ともうれしそうです。



本陣のクラウ将軍の隊と援軍に来たヒッタン将軍の隊は四龍に興味がいってしまいクラウ将軍本人が本陣不在で士気が落ちているのに加え、高華国火の部族キョウガ将軍の隊、キジャの猛攻に崩壊寸前です。

ヒッタン将軍が耐え切れそうにないと判断し本陣が崩れる前に、全軍撤退の合図を送ります。


カジ将軍の隊にも撤退の合図の知らせが届き、撤退を始めます。


ゼノがハクに話しかけます。ジェハは戦は終わったよ、と言います。

ハクの意識が戻ります。意識が戻るとすぐに立ち上がり馬に乗ると、撤退する南戒のカジ将軍の隊に突進していきます。

カジ将軍の隊の兵士の一人が高華国側から一騎でこちらに向かってくる兵士がいるとカジ将軍に告げます。カジ将軍はその兵士がハクだとわかり、彼の狙いは自分であると悟り、向きを変え突進してくるハクに向かって剣を振り上げ走り出します。



高華国の本陣は南戒の軍勢が撤退していくのを見て、ひとまず勝利したと緊張を解きます。

スウォンはこの戦の勝利はまぎれもなくヨナと四龍によってもたらされたものだと、心に揺れを抱えます。

ミンスはスウォンに身体を休めるよう勧めます。

スウォンが馬から降り、続いてヨナも馬を降ります。ヨナは状況がわからないなりに四龍の無事を確認したいようです。ふと、何かがこちらに向かって来る気配を感じます。ヨナは皆に南戒の兵士かもしれないと言い、弓を構えます。

馬で駆けてきたのはハクでした。

ヨナは呼吸を忘れ、ハクを見つめています。

ハクは馬を降り、スウォンの前に来ると、握りしめていた袋を差し出します。

「千樹草…」

それだけをつぶやくとハクの意識は途切れます。倒れるハクをスウォンが支えます。

ヨナは黙って二人を見つめています。




ハクは手当てされ、スウォンの症状もやや落ち着きをみせます。

ヨナとハクの場面が描かれ、ハクはようやく悪夢から醒めます。



高華国と南戒の戦は高華国が勝利しました。

しかし、停戦の交渉は行われることはなく、互いに軍を引かず睨み合いが続きます。




場面は緋龍城に移ります。

ユンが薬草を見るために城下に行こうとします。

メイニャンが一緒に行くと言い出し、ヒューリと3人で城下に行きます。

歩いていると、水の部族長の娘リリと出会います。リリは情報屋のオギの所に行く途中で、一緒に行かないかとユンたちを誘います。

ユンとリリは情報屋のオギの酒場に着き、オギから戦の状況を聞きヨナ達が無事であると知り安心します。

ユンは用を済ませて城に戻りたいのに、メイニャンがテトラとアユラの三人で酒盛りを始め帰ろうとしません。

メイニャンは酔っぱらい酒場を出るとあたりは暗くなっています。

ユンはオギから空都(クウト)で事件が多発していると知らされ、急いで城に戻ろうとします。メイニャンは歩くのも難しいくらい酔っ払っていて、ユンはヒューリにメイニャンを抱えて連れて帰ってほしいといいます。

ところがヒューリはユンの言葉は聞こえていないようで、何かを察知したのか急に走り出していなくなります。

ユンは酔っ払ったメイニャンを抱えきれず、地面に膝をつきます。すると、

「大丈夫ですか?」

と声をかけられます。ユンは大丈夫ですと答えると、声をかけた人物はメイニャンに触れようとします。

メイニャンは手を振り払います。メイニャンの大事な友達ホーちゃんがその人物に飛びつきます。メイニャンが顔を上げ見てみるとその人物は南戒のヴァルでした。一気に酔いが醒めます。

「どうしてここに… 何しに来たんだよ…」

ヴァルは、

「………… わかってんだろ」

と答えます。メイニャンは一気に表情を硬くして、

「帰れ 寄るな 来るんじゃねぇ!!」

と強い口調で言います。

メイニャンを見てユンが何者か尋ねます。

「こいつは追手だ 私を連れ戻しに来たっ」

メイニャンとユンの会話を聞きヴァルは状況を見極めようとしています。

メイニャンはヴァルに南戒には戻らないと言うと、ユンとともにその場を去ります。



ユンとメイニャンは城に戻ろうとします。途中でリリと再会します。

リリはオギが言っていたことが気になって城下を見廻りをしていて、衛兵が見当たらなくてやたら静かでおかしいと言います。

メイニャンはヒューリがいなくなったことを口にしながら歩いていると、背筋が凍えるような感覚がして、視界に黒い影を見つけます。

ユンが、

「誰かいる…」

と言うと、メイニャンは、

「やばい… 逃げるよ!」

とユンの手を取ると、

「急いで! やばい奴が空都に入りこんでいる 南戒の暗殺集団ドロモス…」

と言います

メイニャンの前にドロモスが姿を現します。メイニャンはそれだけで戦意を喪失してしまいます。

アユラとテトラがドロモスを振り払います。

メイニャンはユンだけは守らないとという思いで気持ちを奮い立たせ、アユラの剣を借りドロモスと戦います。

距離を詰めて、剣を突き立てようとしたその瞬間にメイニャンとドロモスの間にヴァルが立ち双方を制止させます。

ドロモスは一旦距離を置きます。

どうしても南戒に連れて帰ろうとするヴァルにメイニャンは胸の内を話します。

ヴァルは迷います。

ユンが空が赤いことに気がつきます。リリが火事だと叫びます。リリ達は火の手の上がるほうへ走ります。

ドロモスが、

「ヴァル将軍 町の鎮火に衛兵が動いた 混乱に乗じ 緋龍城に侵入する 姫を連れて貴殿もこられよ」

と言います。

ドロモスはユンを狙います。ユンを救おうとメイニャンが動きます。ドロモスはメイニャンに攻撃しようとします。ヴァルがメイニャンをかばうためドロモスに剣を向けます。

ヴァルがドロモスを裏切りメイニャンの側につきます。メイニャンとヴァルはドロモスと戦います。ドロモスはメイニャンと将軍を相手に戦うには時間がかかりすぎるので、別のドロモスがユンをさらって姿を消します。


メイニャンとヴァルはユンを助けるため、急いで緋龍城に向かいます。リリと合流し緋龍城を目指します。



ユンとドロモスが着いた場所にヒューリがいました。ヒューリは別行動のドロモスを倒していて、残りのドロモスが来るのを待っていました。

三人のドロモスがヒューリに襲いかかります。

ユンの心の中で叫びます。

野営地にいるヨナが何かを察知します。




何かを察知したヨナはどう動こうとしているのでしょうか

続きます。



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白泉社公式サイト 暁のヨナ

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