ヨナが国を揺さぶります。今回は四龍の力を使えず、ヨナの自力とハク、アルギラとヴォルドで切り開いていく展開が面白いです。
テジュンがどんどん魅力的になっていきます。側近のフクチも地味に魅力的です。二人が出てくると楽しくなります。
ハクは情報屋の頭をオギさんと呼びます。幼い頃一度だけ会ったのを記憶していました。
ヨナは、
「知り合い?」
とハクに尋ねます。ハクは、
「…空都の裏町の情報屋です」
と答えます。
オギは居心地悪そうにしながらも、観念したようで、
「生きていたとはな ハク将軍 ヨナ姫も…」
ヨナは、
「…なぜ 死んだと思っていた?」
と問いかけます。オギは、
「それは… 」
と返事を躊躇するとハクが、
「『ハクはイル王を殺害しヨナ姫を連れて失踪』… これが世間に流れている噂だろ? オギさん あんたはこう考えていたんじゃないか? イル王を殺したのはスウォンでハクとヨナ姫は殺されたってな」
と言うと、オギは慌てて、
「待て!」
とハクの言葉を遮り、否定しようとします。しかし、少しの間が空き、苦しそうに本音を漏らし、
「………… …それで俺にどうしろって言うんだ?」
とどうして自分のところに来たか尋ねます。
ヨナが答えます。
「――スウォンに会わせて欲しいの」
オギは、
「……………それはイル陛下の復讐の手助けを俺にしろと……?」
ヨナは、
「違うわ 今回のこ事は私怨とは関わりのない もっと重大な話なの 今 頼りはあなたしかいない あなたはただ私とスウォンを引き合わせるだけでいい どうか聞き入れて欲しい 高華国と真国の為に」
と言います。
緋龍城でスウォンは文を受け取ります。
ヨナ達はオギの馬車に乗って空都にやって来ます。情報屋がやって来る酒場待っていると、情報屋の仲間が、
「おい、ウォンが来たぞ」
と知らせます。入ってきた人物にオギはすみませんと言うと、
「…お久しぶりです ヨナ姫様 ハク将軍 スウォン陛下は来られません」
姿を見せたのはイル陛下の側仕えだったミンスです。
ミンスの顔を見てヨナがよかった無事でと言います。
ミンスは無表情で、
「いいえ ヨナ姫様 私は今スウォン陛下にお仕えする身 礼などおっしゃらないでください」
と言います。ヨナもハクも以前とは違うミンスの様子に驚いています。
ミンスはスウォンからの文をオギに渡します。オギが文を読むと、
「ウォンの答えはこうだ『要求に応じることは出来ない』と」
とヨナに文の返事を伝えます。
ミンスはイル陛下を葬った側の人間だとヨナに無念が少しでも晴れるのならば、どうか敵を討って下さいと言います。
ミンスはあの夜のことをずっと悔いて来たのだとわかります。
ヨナは優しく、
「…ミンス あなたの罪滅ぼしなら あの夜に もう終わっているわ あなたに救われて 私は今 ここに立っているの あなたの父上への想いが嘘ではないのなら 私はそれでいい」
と語りかけます。ミンスはヨナの温かい心に動かされます。
「姫様… ハク将軍 スウォン陛下は真国との戦に空と風の部族軍をぶつけるおつもりです」
と言い、酒場を後にします。
ミンスが持って来たスウォンの返答に落胆するヨナを見てハクは決めます。風の部族に協力を頼むことにします。
オギに風の部族軍に文を送るよう頼みます。オギは、
「俺に王命に叛く作戦に加担しろと言ってるのか?」
と言います。オギも心の中は揺れています。情報屋の本分としてハクに報酬を要求します。
ハクは金はないと言います。
オギは金がないならこの依頼を断れると思ったのに、ヨナが、
「これでどうかしら」
と荷物から簪を取り出します。とんでもなく高価なものなので、断る理由がなくなり、依頼を引き受けます。
風の部族領、真国との国境近くでは、ヘンデとサキが真国の様子を監視しています。
戦を望まない風の部族は王命には従うつもりだけれど、出来るなら避けたいというのが本音のようです。
緋龍城ではスウォンとケイシュク参謀が3日後に真国に向けて出発すると話しています。
ミンスはその会話を聞いて、ヨナ姫に知らせなくては急いでヨナに会った情報屋の酒場に行き、スウォン陛下と空の部族軍が3日後に真国へ進軍すると言います。
それを聞いたヨナはハクに風の部族のもとへ行くよう言います。
ヨナはある人に協力を頼んで、スウォンの空の部族の進軍を遅らせると言います。
ハクは拒みます。しかし、ハクが間が抜けてしまうくらいヨナが思いもせぬ行動に出て二人バラバラに行動することになります。
ミンスはヨナにお供すると申し出ます。
ヨナはミンス、アルギラと彩火城に向かいます。
ハクと、ヴォルドは風の部族の野営地へ向かいます。
風の部族のもとにはハクの文が届いていて、テウ将軍は皆にハクの言う通りにすると言います。
ヨナはテジュンに会います。
戦を止めるために烽火(のろし)を上げて欲しいと頼みます。テジュンは即答で、
「やります!!」
と答えます。横で聞いていたミンスはびっくりします。ミンスはカン・テジュンという人物にいい印象を持っていなかったので、ヨナの頼みを聞き入れる姿勢に驚いています。
火の部族の烽火は北戒及び千州からの新薬があった際上げる火急の合図です。
緋龍城のスウォンのもとに火の部族の烽火が上がったとの報告が入ります。
馬車の中でヨナはオギの情報屋の仲間から烽火が上がったことを確認します。
「これでしばらく空の部族は簡単に動けないはず」
そういうヨナの言葉にミンスは城にいた頃のヨナ姫とは別人みたいに感じています。
風の部族は戦を避けろというハクの文に従い、真国の兵士に話しかけに行きます。
真国は高華国側が何か企んでいると警戒ます。
雨が降ってきて、風の部族のアヤメが雨よけの外套とよかったらどうぞと真国の兵士に渡そうとしたら、兵士はアヤメに矢を放ちます。
アヤメに向かって飛んでくる矢を大刀で弾き落とします。ハクが到着します。
ハクは風の部族に、ヴォルドは真国の兵士と話をします。
ハクは真国の兵士に戦になるまでやる事ないから、ピリピリするだけ疲れるぞと戦う意思のがないことを伝えます。
ヨナは空都に戻りミンスと別れます。次は真国の潸潸(サンサン)に向かいます。
向かう途中ヨナはスウォンならどう動くかを考えます。そして、水の部族軍が出てくると予想します。
潸潸(サンサン)に向け馬車を走らせると、水の部族軍を目撃します。
スウォンが水の部族軍に援軍を求めたという予想は当たり、この近くにスウォンがいると確信します。
兵士が軍に並走する馬車を見つけます。不審に思い馬車を止めます。ヨナとアルギラが出てきます。
兵の進軍が止まったため様子を見に来たのはケイシュク参謀です。
ヨナはケイシュクにスウォンのところへ案内するよう頼むと、ケイシュクは兵に、
「殺せ」
と命じます。
ヨナはケイシュクに重いひと言を浴びせます。ケイシュクはヨナの迫力に動揺します。
あまりに兵士が動かないことを不思議に思ったのか、ヨナの前にスウォンが現れます。
続きます。
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