高慢な態度でセイをいたぶる遊び人浮之助。しかし彼のはからいで近藤の恋が思わぬ展開を見せる。その頃、幕府は異国艦隊の無理難題に対し混乱を極めていた。自体を収拾するべく登場した意外な人物とは?一方、功が認められ新選組が重用される中、女子・セイの身にも新たな事件の予兆が…!?
幕府に通商条約、港の開港を要求する英米仏蘭の黒船艦隊、深雪太夫を巡るやりとりをする神谷清三郎と浮之助、大樹公の側近と一橋慶喜の対立、長州視察、ポトガラヒーを撮る沖田総司と神谷などが描かれています。
幕府のゴタゴタ、大樹公側近と一橋慶喜の不和、朝廷、諸外国、松平容保、新選組を見事に絡めてこのときの様子を余談、補足を交えてわかりやすく描いていて面白かったです。
浮之助に遊ばれ顔に立腹印が一杯の神谷。
珍しく町人らしからぬ言葉遣いに反応することなく怒り狂っています。
その代わり、これまでどこか抜けている役割の多かった沖田が、浮之助に何か引っかかりを感じていて、神谷と沖田はいい組み合わせの二人だなって思わせてくれます。
黒船艦隊がやってきて幕府が右往左往しているとき、幕閣が一橋慶喜に敵対の意識を持っていなければどうなっていたんだろう。
「究極の達観」と「無邪気な好奇心」このふたつが同居すると評する一橋慶喜という人物。
幕閣への切り返し、クセがあるけど物事の両面を冷静に見通せる人物像は好感が持てます。
照れ屋で思いやりのある土方なりの沖田への励ましはこれまで読んできた土方という人物らしい行動だなと思いました。
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