2018年1月30日火曜日

あだち充 ショートプログラム ~ガールズタイプ~

まとめて読むことができなかった名作「居候シリーズ」全3作を筆頭に、「みゆき」の原形となった伝説の傑作読切「恋人宣言」などなどかつて少女漫画誌を中心にあだち充が発表し、今やなかなか読むことができなくなったあだち充の名作読切7作を再編集した珠玉の短編集。




現在のあだち充作品より温度がすこし高く、感情が直接的です。

女の子が女の子らしく男の子が男の子らしくはっきりしています。

「恋人宣言」を読むことができてうれしかったです。



あだち充 ショートプログラム ~ガールズタイプ~
(アマゾンのサイトに移動します)

2018年1月28日日曜日

あだち充 冒険少年

 吹出しでは表現しきれない内面を読者にゆだねて感じさせてくれます。

ものすごく悪いキャラクターがいないのもいいです。



過去の作品を読み返すと、「あれから」みたいな続編作品を描いてほしいなと思うときがあります。

続きを勝手に想像するほうが読者にとっていいのだとは思います。

だけど、作品の終りの続きを作者はどう考えているのか、ほんの少しだけこんなのぞいてみたい気持ちになるときがあります。



あだち充 冒険少年
(アマゾンのサイトに移動します)

2018年1月26日金曜日

鳥山明 カジカ

週刊少年ジャンプに1998年32号から44号まで連載された全12話の冒険漫画です。




キツネの呪いを解くために、千の命を助ける旅に出た少年・カジカ!ギャング・ギバチの一味に追われる少女・ハヤを助けたカジカは、世界で最後の竜のタマゴを預かることになり…!?鳥山明が贈る大冒険物語、ついに登場!!




キツネに呪いをかけられてから5年かけて990匹の命を救ったカジカ。

いつものお約束で、危険の迫った場所に高い確率で、ものすごく格好悪く登場して、圧倒的に悪い連中をやっつけます。



ストーリーは後半まで大きな盛り上がりはなく、ドンコの立ち回りが面白かったです。



彼は女の子の前では自分のことを「わたし」といいます。

ちょっと変なヤツです。



いちばん面白かったのはストーリーとは関係ないところですが、竜の成長の速さです。

こういう描写がすごく好きです。

戦いがかめはめ波的なエネルギー波による決着のしかなくなったのが残念です。

これより効果的な選出のやっつけかたってなかなかみつかりません。



キツネのギギはカジカといてずる賢くなったのか、カジカとまだまだ一緒にいたかったのか、最後のオチもよかったです。




鳥山明 カジカ
(アマゾンのサイトに移動します)

2018年1月24日水曜日

鳥山明 ネコマジン

でっぷりと太った猫でネコマジンというとぼけていて独特のテンポもっているキャラが主人公(もちろん言葉を話します)の鳥山ワールド炸裂のゆるい短篇ギャグ漫画です。




空を飛ぶことができて必殺技は「ねこはめ波」という自身の大人気連載漫画を思いっきり受け継いだ漫画です。



受け継いだというかドラゴンボールのパロディの要素が多く、ネコマジンの師匠は孫悟空でサイヤ人のように変身もできちゃいます。



オニオという新たなサイヤ人も登場しフリーザのような、ドクタースランプに出てくるスッパマンのような、濃いイキイキしたキャラクターやフリーザの息子のクリーザ、そしてベジータまで登場します。



鳥山さんのストーリーからくり出される、くだらないなと思いつつ、フッと笑ってしまうギャグが楽しいです。



コアラの写真撮影なんかはほんとにくだらないと思いつつ笑顔になり、ドラゴンボールでは笑いとは対極に位置していたクールなベジータが3枚目的な描かれかたをしていたところにも笑ってしまいました。



ドラゴンボールを知っているから面白いと感じるところが多いです。いつかわからないけど次回作は全く違う画風のパロディや短篇を描いてほしいです。



鳥山明 ネコマジン
(アマゾンのサイトに移動します)

2018年1月22日月曜日

鳥山明 COWA!(こわ)

著者のコメントにも書いてありますが、絵本チックな表現の漫画です。



オバケとオバケの村の海岸に住む無愛想中年の人間のおじさんとの話です。

おじさんは丸山さんと言い、かつてはお相撲さんでとても強くオバケからは恐れられています。

恐れられているけど、丸山さんの下の名前がキュートなんです。



オバケたちは勇気を出して丸山さんに会いに行き仲良く?なっていきます。



突然、オバケの村にオバケだけがかかる風邪が大流行してしまいます。

医者が調べてみると、オバケ風邪と呼ばれる100パーセント死んでしまう病気でした。

オバケ風邪を治す薬がずっと西にある森に住む魔女だけが作れると知り、その薬をもらいにオバケ3人と丸山さんで旅に出ます。



ほのぼのしていて最後はちょっと優しい気持ちになります。



鳥山明 COWA!
(アマゾンのサイトに移動します)

2018年1月20日土曜日

鳥山明 SAND LAND(サンドランド)

水が不足しカラカラに乾いた砂漠の国に住む悪魔の王子ベルゼブブと人間のラトという保安官が水を探し求め旅にでる話です。


著者のコメントには、

「描いていて楽しい(はずだった)戦車とじいさんの漫画のはずが、戦車は思った以上に描くのが大変だった」

とありました。

戦車などのメカなどもそうだけど、人物や背景も細かいところまで描いていて大変だっただろうなと思いつつ絵の面白さに見入ってしまいました。


ストーリーは珍しく、笑いより感動が勝ちました。後半はジーンとしてしまうところが多かったです。ストーリーと絵を兼ね備えた面白い作品です。




鳥山明 SAND LAND
(アマゾンのサイトに移動します)

2018年1月18日木曜日

吾妻ひでお オリンポスのポロン 2巻

女好きのゼウス、奔放なアフロディテ、ぶさいくなエロース、科学万能のヘパイストス、りりしくないアポロン、そしてドジな女神ポロン。オリンポスの山では、今日も魅力あふれる神々のドンチャン騒ぎが続いております。アニメ化もされた大人気マンガが、別バージョン「おちゃめ神物語コロコロポロン」全十話を収録し、完全版として登場。描き下ろし「ギリシア神話の神々」「ポロンおまけマンガ」も収録。解説=山本直樹。




立派な女神になることはそっちのけで、トラブルメーカーのポロンは暴れまわっています。

可愛らしい作品です。



吾妻ひでお オリンポスのポロン 2巻
(アマゾンのサイトに移動します)

2018年1月16日火曜日

吾妻ひでお オリンポスのポロン 1巻

むかしむかしギリシアの人々はオリンポスの神々に見守られて暮らしておりました。神々のひとり、太陽神アポロンのひとり娘ポロンは、立派な女神をめざしていっしょけんめい修行中の半人前の女神なのですが、やることなすことドジばかり。ギリシア神話を大胆に解釈して、オリンポスの神々の素顔を赤裸々に暴いた(?)アズマニアックなドタバタ神話物語。「ギリシア神話の神々」「ポロンおまけマンガ」等描き下ろし多数。




ギリシア神話(ギリシャ神話)の神々、エピソードをベースにしたドタバタギャグ作品です。

主人公はポロンという立派な女神になるために修行している半人前の女神です。

どんな女神にでもなれると思っているようで、挑戦してはみるのですが、どれもことごとく失敗し、ただ失敗するだけならいいけど、真面目にドジをして神々を困らせてしまいます。

ポロンが面白いです。




吾妻ひでお オリンポスのポロン 1巻
(アマゾンのサイトに移動します)

2018年1月14日日曜日

鳥山明 鳥山明○作劇場 VOL.2

鳥山明短篇集第2弾です。




ペンギン村のテイストがたっぷり入っている「本日のハイライ島」。中学生のカン太がという給食の時間にだけは必ず教室にいるという少年が主人公の話です。なぜしゃべる動物がこんなにも違和感なく溶け込んでいるのか不思議です。



何が起こるのかドキドキ臨場感たっぷりのオープニングで始まる「ESCAPE」。タイトルからも何かから逃げていることはわかるし、とにかく緊迫感を感じる画風です。オチは画風と正反対の平和でのどかなものになっています。



アクションのスピード感がかっこいい「PINK」。砂漠を舞台に水を奪うピンクという女盗人と、ピンクが憧れている保安官コバルト・ブルーと水の元締めシルバーカンパニーと三つどもえの作品です。VOL.2 で一番好きな作品です。ブラックのキャラが好きです。



中国っぽい雰囲気の作品「騎竜少年(ドラゴンボーイ)」。メインのアクションが展開しつつ、脇で姫さまが状況を把握せずしゃべっているところが面白かったです。



トンプーの大冒険

騎竜少年とこのトンプーの大冒険でドラゴンボールの原形が作られつつあります。トンプーが悟空そっくりのキャラクターです。



ミスター・ホー

硬派をきどっているけど、かわいい女の子に過敏に反応する天然のミスターホー。小ネタを書けと言われればいくらでも書けるんだろうな。



剣ノ介さま

かっこいいのに、用意周到なのに、本番のデートを家を出たところで失敗してしまう話。時代背景や髪型と出てくる小物や整備された道路のギャップがなんともいえません。



SONCHOH

すさまじいカーチェイスの話。子どもが夢に描くスペシャルカーが存分に描かれています。



絵が初期のドラゴンボールの頃と重なるので違和感なく鳥山ワールドを楽しめる短篇集です。



鳥山明○作劇場 2
(アマゾンのサイトに移動します)

2018年1月12日金曜日

鳥山明 鳥山明○作劇場 VOL.1

 デビュー作からDr.スランプの連載中に描かれたものを集めた短篇集と、短編の後にその作品を描いていた頃のエピソード「これをかいていたころのわし」を掲載していて、ひと味加えてくれているところがうれしい短篇集です。




ダントツで人気のなかったデビュー作「ワンダー・アイランド」はキャラクターの描写が手塚治虫によく似ています。面白いかといえばそうとは言い難いです。



続いて描かれた「ワンダー・アイランド2」もあまり人気がなかったようで、1年間、500枚くらい描いて修行したそうです。



それから女の子を主人公にして描いたのが「ギャル刑事トマト」で、後のDr.スランプの原形になったそうです。

このあたりですでにDr.スランプに登場するキャラクターデザインの原形がほぼ決まってきているようです。



愛読者賞のためにサインペンで描いたという「POLA&ROID」ニコチャン大王やアラレちゃんも登場しています。実用性に乏しい超能力や殺傷性のない攻撃がかわいらしくて好きな作品です。



2度目の愛読者賞に描いた一つ目の話がボツになり必死になって描いたという「MAD MATIC」ムヒという小さな女の子の動きがかわいいし、画に迫力を感じます。



愛読者賞で正月返上で描いた「CHOBIT」は人気がなく、くやしかったからもう一度「CHOBIT2」を描いたけど、残念ながらこれもあまり人気がなかったようです。 田舎者が都会に出てきて見るものすべてに驚いたあげくに、用途を間違って様式便器をお風呂だとか、Dr.スランプのニコチャン大王が宇宙船だといって乗り込み、下水に流されてしまったりするギャグがたまらなく好きです。



ここから鳥山作品が始まったということを知ることができてよかったです。




(アマゾンのサイトに移動します)

2018年1月10日水曜日

あきづき空太 赤髪の白雪姫 14巻

ドキドキ、ハラハラ、というような展開ではなく、白雪とリュウとオビのリリアスでの生活が描かれています。
白雪とゼンにつながりがあることで、オリンマリスの研究が進展しそうな気配を見せています。



●61
白雪とリュウはオビがリリアスにいることに驚いています。そして、オビから主の命によりリリアスにいることになったと言われてさらに驚きます。
白雪はオビがどれくらいリリアスに滞在するのか聞きます。
オビはそこは後日話すと曖昧にし、同行するから白雪とリュウに仕事に向かおうと言います。

早速、白雪とリュウは忙しくなります。
オビは白雪にいろんなところに顔を通しておかないといけないから、薬学の館を出たり入ったりすると言い、出かけます。
白雪はオビがいつまでリリアスにいられるのか気になっています。しかし、オビが話してくれるまで待っていようと思います。

オビが戻ってくると、白雪はこのあたりで流行る風邪の薬を調合する練習をしています。
薬の調合はちょっとしたコツが必要です。
リリアスではこの薬の調合は必須で白雪はまだうまく調合できていません。
鈴は晩飯にしようと言い、一時休憩となります。

天幕街に向かおうとすると、シダンから白雪とリュウがリリアスに来たことを聞いたキリトがやって来ます。キリトも一緒に晩ご飯を食べることになります。
キリトは会わない間にずいぶん背が伸びていて、白雪とオビはキリトの成長ぶりにびっくりしています。
リュウは静かにキリトの成長に驚いています。
オビは鈴にリリアスの薬室の仕事についてたずねます。
鈴は薬室は白雪とリュウの二人に任せる事になっていると言います。
白雪は、「二人」という言葉に引っかかります。仲間がいないことに寂しさを感じているようです。
白雪の様子をオビは見ています。

食事を終え、オビは白雪とリュウにこの先のことについて聞きます。
オビはリュウがウィラント城の薬室に行くことを知ります。白雪はどうなるの? と聞きます。
白雪はまだ何も決まっていないと言います。二年後、どうなっているのだろうとオビの顔を見ます。
オビは自分を見る白雪の表情を不思議そうに見返しています。

翌日、白雪は仕事を終えた後、また風邪に効くライエの薬の調合の特訓をします。
リュウは自分が研究に没頭できるように白雪が身の回りを片付け整理してくれていることに気がつき、白雪の薬の調合の特訓につき合います。

白雪は調合がうまくいきません。
オビが戻ってきます。うまく調合できない白雪に助言します。
オビはリュウが調合するところを見ていて、白雪との違いを2つ3つ指摘します。
白雪はライエの薬の調合に成功します。
夜が明けようとしています。
オビは白雪に少し話そうと言います。


●62
オビは白雪に朝日が綺麗に見えるところがあるから、そこまで行こうと言います。
もうすぐ日の出だから急ごうと走り出します。
走りながらオビは白雪に、
「主の命でお嬢さんの側役になったんだよ」
と打ち明けます。そして、
「お嬢さんとリュウ坊がリリアスにいる間は俺もいるんで」
と白雪が、オビはいつまで? といった問いに答えます。

オビと白雪は目的の場所に到着します。
オビはゼンの話したことを言い、自分が白雪の側役になっていいかとたずねます。
白雪は、
「よろしくお願いします オビ」
と言います。
オビは決めたからには直属騎士として、白雪の側役としてやり方を身に付けないとと言います。
それを聞いた白雪は、指針が決まれば今の歩き方が変わる、と考え自らの進むべき道を決めます。
白雪はこのリリアスの地でウィラント城を目指して動くとオビに決意を表明します。

白雪とオビはリュウに、共にウィラント城を目指すと言います。
リュウは、
「おれもそれがいい 頑張ろう」
と言います。
オビは白雪にゼンとはさらに離れてしまうねと言います。
白雪は、
「…ゼンが呼んだら どこにいようと必ず会いに行く それは 自分が守りたい約束のようなものだから」
と言います。

四ヶ月が過ぎます。

ゼンの元に白雪とオビから手紙が届きます。


●63
ゼンは白雪とオビに城で催される夜会の招待状を送っていたので、その返事が送られてきたのか、と木々に聞きます。
木々はそれも届いていて、一緒にもう一通届いたと言います。
手紙には、夜会のことで白雪とオビから一つ頼みたいことがあって、ラタ・フォルゼノという貴族を夜会に招待してほしいと書かれています。

リリアスで四ヶ月が過ぎて、白雪とリュウは薬室の仕事にずいぶんと慣れてきたようです。
オビは兵舎で人気者のようです。
白雪とリュウは通常の業務とは別にシダンのオリンマリスの研究にも参加しています。
シダンはオリンマリスという植物を雪道の観賞植物にするため研究しています。
問題点はオリンマリスの種には毒素があること、種から毒素を取り除くとオリンマリスの放つ光が五分の一以下に減ってしまうことです。
雪道をオリンマリスの光で満たすという試みはなかなか難しいようです。
問題の解決への糸口に鉱石を使ってみようと、鉱物学の専門家を探して助言してもらおうとし、鉱物学者を探します。
鉱物学者は学問街にたくさんいても、協力してくれる学者は見当たりません。
シダンが戻ってきて、光る石の研究をしている人物がいるという情報を入手したと言います。
その人物の名前はラタ・フォルゼノといい、煌晶石(きしょうせき)学者で貴族なのだと言います。


●64
シダンの入手した情報は、ラタ・フォルゼノは煌晶石学者として学問街に研究室を持っている貴族で、助手はなし、親しそうな者もなし、年齢は三十前半あたりだというものです。
ラタ・フォルゼノは煌晶石と煌晶石を組み合わせて特殊な性質を持った石を作るという研究をしています。
ラタ・フォルゼノの研究を合わせれば、白雪たちが目指すオリンマリスの光を増やすのに使えるかもしれない可能性が出てきて、ラタ・フォルゼノを探すことになります。

白雪とオビはラタ・フォルゼノを探しても見つかりません。
ラタ・フォルゼノの研究室に手紙を出します。

後日、白雪の元にラタ・フォルゼノから返事が来ます。
「しつこい」
とだけ書かれています。
ラタ・フォルゼノは白雪とオビが自分を探していることに気づいて、リリアスから姿を消していたのです。

白雪はシダンとリュウと鈴に報告します。そして、ラタ・フォルゼノのことを自分とオビに一時預けてくださいと言います。
白雪とオビは王城ウィスタルの夜会に向かいます。

王城にはゼンから夜会に招待されたラタ・フォルゼノがいます。
続きます。


あきづき空太 赤髪の白雪姫 14巻
(アマゾンのサイトに移動します)