あだち充の短編集です。
読後にそれからのストーリーを想像してみたり、自分の記憶と重ねてみたりする短編が多く収録されています。
●近況
あの時のあの記憶、出来事。
どうして自分にこんな話をするんだろうという疑問、ちょっとした言葉の意図することがずいぶん後になってわかることってあります。
●交差点前
誤解されそうな状況になったら、迷わず話しかけなくてはいけません。
たとえ相手との距離が近くなって凶暴な兄がいることがわかっても。。。
乗り越えなくてはいけない壁がいくつもある話でした。
●ショートプログラム
こわい、ひたすらコワいです。
たまたまタイミングよく現れる人が好青年とは限りません。
おしゃべりでツメが甘過ぎるという抜けたところがある人物であったことがなによりだと思いました。
●テイクオフ
読んでいて鈍いなと思う反面、同じようにこんな気持ちには気づけないだろうなと思います。
●チェンジ
憧れていた女性。やたらちょっかいを出してくる少年だと思っていたのが女の子で女性の妹だったという話。
最後の、「考えさせてくれ」の台詞はズルいです。
●プラス1
真似したいとは思わないけど、とてもいいな思う短編です。
●むらさき
自分に感心なんてあるわけがない。
けど意識して上手くしゃべれない、自分の想いに気づいてほしいな思っている気がない異性だとしゃべれるというシャイな女の子。
意中の人も自分と同じ方向を見てたことがわかる嬉しさ、葉書を読んだ次の日から小宮榛名は村崎純一にどう接するのかと想像するのが楽しいです。
●なにがなんだか 前編・後編
文通に書かれた文字のかたち、文章から想像する相手の顔や声。会いたいような、それとも会わないほうがいいのか。
文章から始まるやりとりは想像が膨らみます。
会ってよかったけど、会ってしまったために入試が。。。オチも面白かったです。
0 件のコメント:
コメントを投稿