2016年2月4日木曜日

星里もちる 本気のしるし 1巻

中小文具メーカーにつとめる辻は、現在、独身の一人暮らし。仕事は無難にこなしつつ社内恋愛も成りゆき。どこか真剣になれない日常。

そんなある日――

辻は、深夜のコンビニで風変わりな美女と出会う。直後、彼女の車は踏み切りで立ち往生…… 出会ってしまったことが事故だった!!逃げ場なし!!サバイバル・ラブ・サスペンス!!




辻一路(つじかずみち)は表面的には社交的に振る舞い、本当は人間関係に冷めていて、見せかけのやさしさで人と付き合い、親しくされるのや、自分の領域に踏み込まれるのが苦手な人物です。

命がけで好きになる人などいないと思っているし、自分のリズムを乱されるのを嫌います。

辻には二人の彼女がいて、どちらも会社の同僚です。みっちゃんは屈託なく辻に接してくる女性で、細川は大人な振る舞いでぐいぐい辻に迫ります。



辻はみっちゃんも細川も本気で好きかと言われると迷ってしまう存在のようです。

そんな辻があるどうしようもない女性にのめり込んでいくというお話です。



ある夜、辻はみっちゃんと細川との関係を思い巡らせながらコンビニに向かうと、まわりの迷惑も顧みず、地図を広げて何かを探している女性を見かけます。儚げな女性の足元には買い物カゴが置かれてあり、中には冷凍食品が入れられていました。女性に話しかけるきっかけを見つけた辻は、困っているなら手伝いましょうかと話しかけます。

特に解決せず、コンビニを出て歩いていると、先ほどの女性が運転する車が辻の前を通り過ぎて行きます。先には踏切があって、車は一旦停止し再び走りだします。マニュアル車でぎこちない運転のまま進入すると、何を思ったのか、その女性はシフトを上げてしまい、踏切内で車はエンストしてしまいました。

辻はその光景に笑っていましたが、笑えない状況が起こります。遮断機が降りたのです。辻はあわてて踏切内で立ち往生する女性の乗った車に駆け寄り、ギアをニュートラルに入れるよう指示します。女性は混乱していて、辻の言うことを理解できず、おろおろしています。辻はなんとか助手席側からクラッチに足を伸ばし、ニュートラルに入れて、車を踏み切り内から押し出すことに成功しました。

踏切から出ると、やや下りの勾配で女性はブレーキを踏むことをせず、車はゆっくりと下り坂を進み、前方に停まってある車に接触してようやく止まりました。

車から降りた女性はガタガタと全身を震わせています。

辻が女性を慰め、警察を呼び、事情を説明するために一緒に待っていました。

警察が、

「運転してたのどっち?」

と尋ねると、

「彼が運転してました」

と女性はとんでもないことを言い出します。辻は慌てます。女性とはさっき会ったばかりで赤の他人だと主張しても、

「あたしじゃありません。免許も持ってませんし、車もあたしのじゃありません!」

とあきれる嘘を重ねます。

辻は冷静に車はレンタカーであり、誰が契約したか調べればすぐに分かると警察に説明すると、

「運転してたのはあたしです。動揺してしまって……すみませんでした……」

と女性は態度を反転させます。

短時間で様々な表情を見せられて、辻には何か感じるところがありました。

辻に翌日から災難が降りかかります。女性(葉山浮世)が借りたレンタカー代、接触した車の所有者からの修理代から始まり、免許にかかれた住所は別の人が住んでいていたりと葉山浮世のいいかげんさに振り回されます。

夜、上司と飲みに行った帰り、人だかりを見つけのぞいて見ると、散々な目に遭わされた葉山浮世がベンチに横になっているのを見つけ声をかけます。

葉山浮世は辻だと分かると逃げ出します。辻は追いかけ、すぐに捕まえます。辻は立て替えている代金を払ってもおうと、彼女に家まで案内させます。

彼女の家には別の集金人たちが待っていて、辻は数紙の新聞代金まで立替えます。借用書を書かせ、部屋を出ると、今度はガラの悪い人たちが彼女の部屋の前で話をしているのを目撃します。

めちゃくちゃすぎて放っておけなくなりそうな気持ちをこらえて、事情だけ聞き、帰宅します。

かかわってはいけないと自分に言い聞かせても、葉山浮世が気になって翌日アパートに行きます。すると彼女は家にはおらず、隣の住人が昨日の二人が彼女を連れていったと言われます。

もうこれっきりにしよう。関係ない。と車に乗ると、電話がかかってきます。葉山浮世からでした。用件だけ言うとすぐ切られ、着信履歴からすぐ折り返して電話をかけると男が出てきました。

男は葉山浮世が借金をしていて、辻に立て替えてくれるとありがたいと話します。

辻は金を工面し、葉山浮世が連れ去られたビルに行き、彼女の借金を立て替えてあげます。

辻一路が行き当たりばったりの葉山浮世に巻き込まれていきます。




星里もちる 本気のしるし 1巻
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