2017年4月4日火曜日

あだち充 虹色とうがらし 2巻

江戸風(?)長屋で仲良く暮らす七人の異母兄弟。彼らの父親はなんと花の江戸のお殿様!そんなことも知らずに今は亡きそれぞれの母親のお墓参りに向かうことに。まずは末っ子・陳皮の田舎をめざして、出発する。その行く手に現れる、一人の謎の剣士。長女・菜種の出生の秘密を握っているというが…。はたまた、平和なお江戸に住みついた怪しげな外国人の行方もきになるところ…。


異国からというよりもどこか違う時代からやってきたというほうが合っているバン艦長と部下(名前が分かりません)は何を企んでいるのだろう。
後々につながる怪しさを匂わせつつからくり長屋では、陳皮の母のお墓参りに七味がつきあうというのを芥子から聞いた胡麻が、このさいだからそれぞれの故郷を一度見ておこうと全員で旅することを決めます。

あわてたのは彦六。父親が誰なのかまだ伏せていたいようで、半蔵に兄弟たちには気づかれないように後を追わせます。
油断しすぎの半蔵の活躍が楽しみです。
子供たちの旅立ちを心配して、将軍は変装して子供たちに会い、将軍の紋が入った印籠を渡します。
用心深い兄弟たちはニセモノかもしれない、本物であっても盗品だろうからとせっかくの親心を投げ捨ててしまいます。
助けになると印籠を手渡し満足げの将軍と危険なものを嗅ぎ分ける兄弟の通じ合っていなさが面白かったです。

陳皮の故郷に着いた一行。
陳皮の師匠に出会います。
師匠の情熱を一目で見抜く芥子のひとことがおかしかったです。山椒はもしかしてずば抜けた能力を持つ忍者なのかもしれません。
「虫をすきにならないとえらいまんが家になれないぞォ」といった次のページが面白かったです。
「得る物の大きさはわかっても…失う物の大きさは、失ってからでないとわからねえんだよな」

ひとつの方向からだけで決めてしまわず、あらゆる可能性を考え抜くことが大切だと教えてくれる重い台詞です。

菜種の故郷に向かう途中の宿での出来事も面白かったです。
彦六さんは半蔵に飛び蹴りをくらわせるくらいだからそこそこの運動能力はあるんだろうなと思っていたけど、浮論に襲われて剣の腕がかなりのものだということが分かりました。
若いころ将軍の旅に同行するくらいだから身を守る術はかなりのものでないとおかしいのでこの場面は描いてあってよかったと思いました。

さて次は菜種の故郷です。菜種に伏せられていた秘密を胡麻と七味が知るようです。

2017年4月2日日曜日

あだち充 虹色とうがらし 1巻

未来の地球によく似たどこかのお話。舞台が昔の地球のある国のある時代に非常に似ていたとしてもそれはただの偶然である。時代考証に口出し無用


江戸のようで江戸でない設定です。

主人公は七味という15歳の少年で、母の遺言に従い、漢数字で四と書かれたクルミをもって、竜神掘柳町(りゅうじんぼりやなぎまち)のからくり長屋の彦六という人物に会いに行くところから始まります。

からくり長屋には七味とは腹違いの兄弟が6人いて、長男の胡麻は22歳で落語家、次男の麻次郎は埴輪念流免許皆伝一刀流の達人、三男の芥子の坊18歳は酒豪で力持ち(暴れん坊)、長女の菜種は13歳で多少の武術に心得があり、五男は陳皮は10歳で発明家、六男の山椒は3歳で忍者といったそれぞれに特技を持った変わった兄弟たちが暮らしています。

天下泰平の世の中でなにかと物騒なことに巻きこまれたり、首を突っ込んだりする兄弟たち。
兄弟たちの父親はどうやらこの国の将軍で、からくり長屋の彦六は将軍の補佐役という別の顔と子供たちを世話し、様子を将軍に知らせる役割を任されています。
彦六は部下の半蔵とともに子供たちに父親が誰なのかを悟られないように影で支えています。
しかし、ある日半蔵の報告により7人の中に将軍の子でない者がいるということが判明します。

浮論剣の腕の立ついかにも怪しい浪人、新しい物好きの将軍、わがままな姫、異国からやってきた2人の男。父と子が知らないうちに急接近したり、姫が七味に興味を持ったり、なにかと読んでいて楽しい作品です。