2017年4月30日日曜日

岩本ナオ 町でうわさの天狗の子 4巻

幼なじみの瞬ちゃんが、しばらく京都に修行に行ってしまうことを知った秋姫。ちょっぴり心細い秋姫だけど、瞬ちゃんに心配をかけないよう、ひとりでも大丈夫な姿を見せようと心がける。でも、人はそんなに急に変われるはずもなくて…。そんなある日、タケル君から、もっともっとショックな言葉を聞かされてしまい!?


秋姫と友達がお山や天狗について普通に話しているところや、お山の康徳様や仲間たちが話すちょっとしたことが面白いです。

秋姫のスカートの留め金が吹っ飛んで、カラスの影太一が、
「東のほうに何か輝く物が見えたが」
というところや、秋姫がつくったカレーを食べて、
「ミシュランの手先がくるやも」
という康徳様の娘への溺愛ぶりが好きです。
表情を崩さない瞬ちゃんの胸の内が気がかりです。

2017年4月28日金曜日

岩本ナオ 町でうわさの天狗の子 3巻

待ちに待ったタケル君との初デートで、赤飯ビーチに出かけることになった秋姫。でも、山と空では無敵の天狗パワーも、海となるとちょっぴり不安。秋姫には内緒で、康徳様から、ふたりを見守るように言われた幼なじみの瞬は、お山の見習いと同級生たちを連れて、秋姫の後を追うが…。大人気青春天狗ファンタジー、第3巻


くうー、松中さんいいこと言うな。
そうなんです。
秋姫は瞬ちゃんにもっと感謝しなくちゃいけません。

タケル君と一緒にいるときでも困ることがあると、
「瞬ちゃん」
と口にしてしまう秋姫が、瞬ちゃんに対しての信頼が他の誰よりも、タケル君よりも上だということに気づくのはいつになるだろう。

そんなことを思っていると、瞬ちゃんが修行で京都に行くことになるという、秋姫にとっては大切なことに気づく大きなきっかけができる出来事がやってきました。

ダルマへこまし事件の犯人と紅葉の会話が面白かったです。

2017年4月26日水曜日

岩本ナオ 町でうわさの天狗の子 2巻

憧れのタケル君とつきあうことになった秋姫。早速、デートの予定を組もうと考えるが、週末にはお山で100年ぶりに“修験道”の大イベントが行なわれることになっていた。天狗の娘・秋姫も参加しないわけにはいかず、初デートはひとまずお預けに。でも、ちょっとずつタケル君との距離も縮まってきて…♪ドキドキ青春ファンタジー、第2巻


夢が叶った秋姫。
始めは小さかったタケル君への欲が大きくなるのを抑えきれない想いと、男として秋姫を守ってあげたいタケル君の想いがうまく噛み合ないところ、天狗になりたくないという秋姫の気持ちがまったくわからない烏天狗志望の鞍馬山三十八郎坊紅葉のキャラクター、天狗の話になると熱くなる瞬ちゃん、親バカの康徳様が面白かったです。

2017年4月24日月曜日

岩本ナオ 町でうわさの天狗の子 1巻

緑峰山の天狗の娘・秋姫は、下界で母親と暮らしながら中学校に通っている。お山で修行にはげむ幼なじみの瞬ちゃんから、天狗になるための修行をするようにいわれるが、断り続ける毎日だ。そんな秋姫の心の中は、同級生の“タケル君”のことでいっぱいなのだが…。ヘンテコ青春ファンタジー、第1巻。


秋姫は人間の母と天狗の父を両親に持ち、他の子に比べて力が強いこと、見えないものが見えること以外はごく普通の女の子です。

本来なら、お山で暮らし、天狗の修行をいけないのですが、天狗になりたくない秋姫、強制して娘に嫌われたくない康徳様(秋姫の父親)、お山の子になってほしくない母親との妙なバランスで人間の生活を送ることができています。

天狗の父親をはじめ、口は悪いけど、秋姫が困ったときはいつも側にいて助けになる榎本瞬(次郎坊)やキツネの三郎坊、タヌキの四郎坊、ウサギの五郎坊といった眷属、他のお山の天狗たちが他にははない一風変わった個性的な雰囲気を作りだしていて面白いです。

2017年4月22日土曜日

あだち充 いつも美空 5巻

悪さをする能力を与えられた者を退治するために神様の代理で能力を授けられたひとりの少女と5人と1匹の仲間によるアカデミー賞もののドラマということになるのでしょうか。

バケに能力を持っていることをなるべく隠すように言われ、自前の運動神経で事故を乗り切ったのに、不自然に立ち止まってある方向を見つめたことで野上篤史にバレてしまい、対決となります。
最後は大人でありレンタルクラブの顧問の船村正が決着をつけ無事解決。
なんと最終巻です。なんだったんだ?うーん、とうなってしまう結末でした。

2017年4月20日木曜日

あだち充 いつも美空 4巻

ようやく全員に能力が授けられました。
光太の能力だけずば抜けています。
瞬間移動の移動距離が美空の能力なんか比べられないくらい本格的な能力になっています。
竜堂は3年先までの結婚であれば、手のひらを見ればその人の相手がバッチリわかるという能力、十四郎は金属探知能力、千代之介はナビ、都は予知、美空は念力。

皆の力を合わせて一体どんなことができるようになるんだろう。…できる展開になるんだよね?とあいかわらずすんなりとは分からない展開です。

2017年4月18日火曜日

あだち充 いつも美空 3巻

美空の死んだお父さんが出演した作品の監督が光太の祖父。
その祖父が美空を台本読みのバイトをさせ感情を入れて読む姿を見て映画魂に火がつきます。

これは日本人として初めてアカデミー主演女優賞に輝いた、一人の女の子のドラマ…に、なればいいなァ…

1巻の冒頭に書いてあったのがようやく3巻で動き始めるのか? と盛り上がっていくかというほのかな期待は期待のまま終わってしまいました。
ソフトボールの試合といい、どこにむかおうとしているのかわからないけど、ちょっと変化のある学生生活が描かれています。

5センチ動かせる美空の能力は思ったより使い道があるようです。3回使うと爆睡してしまうのは後の何かに結びつくのでしょうか。

2017年4月16日日曜日

あだち充 いつも美空 2巻

光太の顔は主人公かもしくは主人公に深く関わる頼りになる人物なのに、並みの身体能力で頭がよくメガネをかけていてちょっと違うな、なんて思っていました。
ただ、リハビル中なだけでした。
この顔が中心に据えられず竜堂や十四郎の後ろに甘んじるのはどこかしっくりしませんでした。
光太の本領発揮です。
美空の能力に気づきネコがしゃべるのに驚いて、女子ソフトボール部の試合に参加します。
主役に絡んでくれないと、なにかへんな感じがします。

美空、バケ(美空の猫)に次いで、小久保都が13歳の誕生日を向かえます。
彼女が授かった能力は予知能力でした。
何に活かせるのだろう。
力を使っても副作用がない都に不平を言ったり、ソフトボールの試合中に相手のピッチングを盗み、自分のものにしていく美空のモノマネの才能を後付けっぷりに笑いました。

2017年4月14日金曜日

あだち充 いつも美空 1巻

その日がもうすぐやってくる。

それは4年前に参加した鉄道会社が募集した小学生限定夏休み森と清流緑の自然教室での最終日のこと。主人公の坂上美空(さかじょうみそら)は三橋竜堂(みはしりゅうどう)と村田十四郎(むらたじゅうしろう)の3人で歩いていると、ある3人組によって盗人の犯人にしたてられてしまいます。
その3人は小久保都(こくぼみやこ)、春日千代之介(かすがちよのすけ)、北島光太(きたじまこうた)いい、美空たちの近所の小学校から参加したのでした。
怒った美空たちは、近くの祠に3人を呼び出します。
決闘になる寸前、その夜予定されていた花火大会の一発目の花火の打ち上げが失敗し、祠に向かって飛んでいき引火し燃え広がってしまいます。
あわてて側に置いていた身の回りのものと一緒にどうやって持ち出したかはわからないけどあるものを運び出します。
2発目の花火も打ち上げに失敗し、またも6人のいる方向へ飛んできて爆発で皆気を失ってしまいます。
美空には気を失う直前におじいさんが現れ何かを言った記憶がかすかに残ったのでした。
「ありがとう、少年少女諸君。お礼として勇気あるきみ達にそれぞれが13歳を迎えた日にひとつずつの力を授けよう。わしからの誕生日プレゼントとしてな」

その場にいたのは6人と1匹。
6人は中学で同じ学校に通うようになります。
美空はその中で一番最初に13歳の誕生日を迎えたのでした。
美空は自分だけがおじいさんの言葉を聞いたのだと思っていると、北島光太もその言葉を聞いていて、6人の中で最初に13歳になった美空に興味を持ちます。
次に13歳を迎えたのは美空の飼い猫バケで人間の言葉を話せる力を授けられたのでした。
美空に話しかけるバケ。
美空は自分にすこしだけ、ほんの少しだけモノを動かせる力が授けられたことを知ると、竜堂と十四郎の誕生日を尋ね、その日が来るのを待つことにします。
調べてみると対立する3人、小久保都、春日千代之介、北島光太の中では小久保都が美空の一週間遅れで13歳の誕生日を迎えることが分かります。
おじいさんの言葉を信じている光太は授けられる力を楽しみにしていて美空は力がバレてしまわないように気をつけています。

6人全員に力が授けられてからようやく物語が始まっていくようです。

2017年4月12日水曜日

あだち充 虹色とうがらし 6巻

今は亡き母親の墓参りへと向かう七人の異母兄弟たち。旅のさなか、道に迷って、はぐれてしまった七味と菜種に謎の刺客の魔の手が伸びる!命を懸けて、菜種を守ろうとする七味。はたして、菜種の運命は・・・。そしていよいよ最後の戦いを前に、知らされる衝撃の真実…。あだち充の異色時代劇、ここに完結!


七味、菜種、将軍がいる宿場町にやってきた省吾一味。
こんな場所に将軍がいることに驚き、狙いをつけている兄弟が何者なのかを考え始めます。
将軍、彦六、半蔵の話を盗み聞きした琴姫。すべてがつながった七味、菜種。七味が泣かせます。

最後となった七味の故郷。
兄弟は合流できず、菜種とふたりで訪れます。
七味と幼馴染の女の子絵美を通じて知る、からくり長屋に来る前のことや食べ物の好み、そして七味の気遣い。
菜種が心の中で起こった変化を自覚するいい出来事でした。

菜種を命をかけて守った半蔵、浮論。半蔵のあっけなさは忍の役割がよく伝わってきました。
浮論と菜種の再会、七味によって知らされる真実、七味の菜種への告白と最後は菜種を巡る話になりました。

いつかは分からない未来を予知し描く能力を持った麻次郎が描いた胡麻の絵が実現するのはもう少し先だろうけど、七味と菜種を描いた絵はなるべく早く実現してほしいなと思いました。
受身で物語が動いていく面白い作品でした。

2017年4月10日月曜日

あだち充 虹色とうがらし 5巻

江戸の長屋で仲良く暮らす七人の異母兄弟たち。一行は今は亡き、母親の墓参りに向かう。ところが道中ひょんなことから、菜種の本当の兄が登場。そんな折、何を思ったのか将軍の弟・貴光が一行に刺客を送りつける!命からがらの帰り道。あげくの果ては、道に迷ってバラバラに!菜種らの運命は…


菜種に続いて七味まで刺客に催眠術をかけられてしまい、いよいよ危なくなってきました。
ここで誰がこの危機を救うのだろうと読んでいくと、これまでにない格好よさで本領を発揮した半蔵でした。

麻次郎の故郷に着いた一行。祖父の軽やかさには笑いました。
麻次郎は兄弟に伏せられている事情のすべてを知っているようです。
故郷は将軍の弟貴光が城主で、琴姫も登場し城の中でさまざまな思惑を抱えたまま仲良く?楽しいひと時を過ごすのでした。
良かれと思ってやったことがさらに貴光の怒りを買ってしまったのが面白かったです。

からくり長屋の兄弟と同じくらいの男、貴光の息子の省吾が新たに登場。
兄弟がバラバラになり、宿場町に七味と菜種が先に到着し待っていると、なんとまぐれ雲という名の遊び人に変装した将軍が登場します。
なんだか面白い展開です。

2017年4月8日土曜日

あだち充 虹色とうがらし 4巻

遠くて、近い未来の地球とよく似た星で、江戸の長屋に暮らす七人の異母兄弟たち。彼らの父親はなんと江戸のお殿様。そんなこともつゆ知らず、けなげに母親の墓参りへと旅立つ一行。次なる目的は、長男・胡麻の故郷の木豆大島。しかし、その船中でも得体の知れぬ刺客に狙われる!さらには将軍の弟・貴光の刺客が菜種を襲い、菜種は催眠術に掛かってしまう。術に落ちた菜種は、なんと七味に斬りかかる…


山椒の故郷で、胡麻の故郷に向かう船の上で、兄弟を狙う者同士が自滅していきます。
一方で江戸には本当に異国から船がやってきて、偉人が江戸に向かってこようとしています。
浮論が何を思って行動しているのか気になります。
将軍の弟貴光はいよいよ行動を起こし、将軍職を取って代わろうと策を講じ始めます。
次に兄弟を狙う刺客は催眠術を使う変装の達人で、まず菜種に狙いを定め術をかけます。
合言葉で催眠術が効くはずが、たまたま内輪で流行った言葉によって回避しそうになったのにはおかしくて笑ってしまいました。
話さなければ菜種はかけられた術に操られずにすんだのにな。
半蔵の陽気さと間の抜けかたはこの物語になくてはならないものになってきました。

2017年4月6日木曜日

あだち充 虹色とうがらし 3巻

はるか未来の昔の地球で、江戸の長屋で暮らす七人の異母兄弟たち。父親はなんと江戸のお殿様。そんなことも知らずに母親の墓参りへと向かう一行。まずは五男・陳皮の郷里を訪ねた後、長女・菜種、三男・芥子の坊、六男・山椒の郷里へ。途中で次男・麻次郎も合流したが、いつの間にやら刺客に狙われる「お尋ね者」に。七味たちを取り巻く陰謀の数々。一行はうまく切り抜けることができるのか!


次男の麻次郎がようやくの登場です。
浮論と剣を交えます。
すぐさま麻次郎が帰ったという情報を聞きつけた女の子たちがからくり長屋にやってきて邪魔が入り決着はつきませんでした。
それぞれの故郷を皆で旅することを彦六から聞いた麻次郎は兄弟に合流するべくまたからくり長屋を出て行くのでした。
「まったく、やっと江戸に帰ってきたというのになァ」
帰ってきてすぐまた旅に出るなんて思ってもいなかった麻次郎でした。

どうやらからくり長屋の七人の兄弟で一人だけ違うのは菜種のようで、本当は菜種ではなく彼女の兄。
兄は…浮論?知られてはいけない事実。
裏づけになる証拠を見せてはいけないと急いで菜種の元に走る七味だけど、そこは半蔵の出番でした。きちんと仕事はやり遂げる優秀な忍びなのでした。
胡麻の、
「おれはなにもきいてないぜ」
と言う台詞や七味の気配りにじんときました。

立ち寄った宿場町で胡麻、芥子、山椒と七味、菜種、陳皮に分かれ、一宿一飯の恩と危ないところを救ったとそれぞれの組が縄張り争いをする敵対のする組で、その喧嘩に巻き込まれ、芥子が大暴れするところが面白かったです。

芥子の生まれ故郷に着いた一行。
芥子の記憶と故郷の人々の芥子への思いは大いにずれているようで、悪くもないことで牢に入れられ、琴姫は登場するしドタバタドタバタの展開です。
琴姫に徹底的に嫌われている菜種は仲間はずれにされ、一人で行動して危険な目に会います。
どうやらからくり長屋の兄弟には賞金が懸けられていて狙われているのです。
危機一髪のところで菜種を救ったのは剣の天才でした。
麻次郎が合流し翌朝話していると、どうやら故郷で世話になった人たちは父親が誰なのかをすでに知っているようです。
核心に触れるところまでたどり着いているのに、落語家の長男がいるのに、仮にでも答えが出ないのは、知りたさと知らないほうがいいという気持ちがせめぎあっているからなのかもしれないと思いました。

山椒の故郷では、到着するまでにさまざまな罠が仕掛けられ、村ではうどんに毒が盛られていたりと散々な目に会います。
さらには…という展開です。
ここでも父親の話題になると力強く拒否されてしまいます。この拒否のされ具合が面白かったです。

2017年4月4日火曜日

あだち充 虹色とうがらし 2巻

江戸風(?)長屋で仲良く暮らす七人の異母兄弟。彼らの父親はなんと花の江戸のお殿様!そんなことも知らずに今は亡きそれぞれの母親のお墓参りに向かうことに。まずは末っ子・陳皮の田舎をめざして、出発する。その行く手に現れる、一人の謎の剣士。長女・菜種の出生の秘密を握っているというが…。はたまた、平和なお江戸に住みついた怪しげな外国人の行方もきになるところ…。


異国からというよりもどこか違う時代からやってきたというほうが合っているバン艦長と部下(名前が分かりません)は何を企んでいるのだろう。
後々につながる怪しさを匂わせつつからくり長屋では、陳皮の母のお墓参りに七味がつきあうというのを芥子から聞いた胡麻が、このさいだからそれぞれの故郷を一度見ておこうと全員で旅することを決めます。

あわてたのは彦六。父親が誰なのかまだ伏せていたいようで、半蔵に兄弟たちには気づかれないように後を追わせます。
油断しすぎの半蔵の活躍が楽しみです。
子供たちの旅立ちを心配して、将軍は変装して子供たちに会い、将軍の紋が入った印籠を渡します。
用心深い兄弟たちはニセモノかもしれない、本物であっても盗品だろうからとせっかくの親心を投げ捨ててしまいます。
助けになると印籠を手渡し満足げの将軍と危険なものを嗅ぎ分ける兄弟の通じ合っていなさが面白かったです。

陳皮の故郷に着いた一行。
陳皮の師匠に出会います。
師匠の情熱を一目で見抜く芥子のひとことがおかしかったです。山椒はもしかしてずば抜けた能力を持つ忍者なのかもしれません。
「虫をすきにならないとえらいまんが家になれないぞォ」といった次のページが面白かったです。
「得る物の大きさはわかっても…失う物の大きさは、失ってからでないとわからねえんだよな」

ひとつの方向からだけで決めてしまわず、あらゆる可能性を考え抜くことが大切だと教えてくれる重い台詞です。

菜種の故郷に向かう途中の宿での出来事も面白かったです。
彦六さんは半蔵に飛び蹴りをくらわせるくらいだからそこそこの運動能力はあるんだろうなと思っていたけど、浮論に襲われて剣の腕がかなりのものだということが分かりました。
若いころ将軍の旅に同行するくらいだから身を守る術はかなりのものでないとおかしいのでこの場面は描いてあってよかったと思いました。

さて次は菜種の故郷です。菜種に伏せられていた秘密を胡麻と七味が知るようです。

2017年4月2日日曜日

あだち充 虹色とうがらし 1巻

未来の地球によく似たどこかのお話。舞台が昔の地球のある国のある時代に非常に似ていたとしてもそれはただの偶然である。時代考証に口出し無用


江戸のようで江戸でない設定です。

主人公は七味という15歳の少年で、母の遺言に従い、漢数字で四と書かれたクルミをもって、竜神掘柳町(りゅうじんぼりやなぎまち)のからくり長屋の彦六という人物に会いに行くところから始まります。

からくり長屋には七味とは腹違いの兄弟が6人いて、長男の胡麻は22歳で落語家、次男の麻次郎は埴輪念流免許皆伝一刀流の達人、三男の芥子の坊18歳は酒豪で力持ち(暴れん坊)、長女の菜種は13歳で多少の武術に心得があり、五男は陳皮は10歳で発明家、六男の山椒は3歳で忍者といったそれぞれに特技を持った変わった兄弟たちが暮らしています。

天下泰平の世の中でなにかと物騒なことに巻きこまれたり、首を突っ込んだりする兄弟たち。
兄弟たちの父親はどうやらこの国の将軍で、からくり長屋の彦六は将軍の補佐役という別の顔と子供たちを世話し、様子を将軍に知らせる役割を任されています。
彦六は部下の半蔵とともに子供たちに父親が誰なのかを悟られないように影で支えています。
しかし、ある日半蔵の報告により7人の中に将軍の子でない者がいるということが判明します。

浮論剣の腕の立ついかにも怪しい浪人、新しい物好きの将軍、わがままな姫、異国からやってきた2人の男。父と子が知らないうちに急接近したり、姫が七味に興味を持ったり、なにかと読んでいて楽しい作品です。